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赤と黒
「赤と黒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
赤と黒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
おじろ》い高等学校の生徒は当時の大導寺信輔よりも寧ろ若いジュリアン・ソレル――「
赤と黒」の主人公だった。
こう言う信輔は当然又あらゆるものを本の中に学んだ。少....
「逆行」より 著者:太宰治
鏡がかけられていた。鏡は金粉を塗った額縁に収められているのである。北側の入口には
赤と黒との縞《しま》のよごれたモスリンのカアテンがかけられ、そのうえの壁に、沼の....
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
は、文士や画家の取巻きが多く、 「明日はスタンダールで来い」 と、言われると「
赤と黒」の二色のイヴニングで現れたり、 「今日は源氏物語よ」 と、紫の無地の着....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
いった。 二階へ来てみると、これはまた世界が違ったように物静かだった。廊下には
赤と黒との模様のある絨毯がズッと敷きつめてあった。その上を静かに歩いてゆきながら....
「恐しき通夜」より 著者:海野十三
なければ、制裁とも感じない。僕の家の机の上にはふくよかな肘突があるが、その肘突の
赤と黒との縮緬の下に入っているものは、実は僕が関係した女たちから、コッソリ引き抜....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
あなたはむす子さんのいいつけ通りの着物の色や柄を買って着ると仰有ったね。その襟の
赤と黒の色の取り合せも?」 「ええ」 「ふーむ、ユニークな母子叙情の表現法だなあ....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
ぎらぎら此の巷に照りつけて来た。キャフェの差し出し日覆いは明るい布地にくっきりと
赤と黒の縞目を浮き出させて其の下にいる客をいかにも涼しそうに楽しく見せる。他の店....
「若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
、いってハーガーに出てくるように命じました。 メグは、白い馬の毛を顔にたらし、
赤と黒の衣をまとい、杖をもってあらわれます。ユーゴーが愛の魔薬と死の魔薬を求める....
「新らしき文学」より 著者:坂口安吾
に昔は人々は色感に於て赤と黄の二色を識別し得たにすぎない。リグ・ベエダの時代には
赤と黒は殆ど識別されておらず、サンスクリットの全時代に於て緑は完全に発見されてお....
「文学的饒舌」より 著者:織田作之助
、明確に割り切っているのだが、しかし、ジュリアンというのはどんな人物かと問えば「
赤と黒」一巻を示すよりほかにスタンダールにも手はないだろう。ジュリアンを説明する....
「わが文学修業」より 著者:織田作之助
されなかった。 大学へ行かず本郷でうろうろしていた二十六の時、スタンダールの「
赤と黒」を読み、いきなり小説を書きだした。スタイルはスタンダール、川端氏、里見氏....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
車で毎日役所へ通われます。私は閑があれば兄を訪いました。私への土産は、駝鳥の羽を
赤と黒とに染めたのを、幾本か細いブリキの筒へ入れたのです。御出発なさる時に『湖月....
「夜の構図」より 著者:織田作之助
、スタンダールは?」 「まだ……」 「スタンダールを読まないのは、けしからん。『
赤と黒』だけでも読むべきだね。読まないと一生の損になるという本は、そうざらにはな....
「赤い姫と黒い皇子」より 著者:小川未明
というので、この国の人々からおそれられ、よく知られていました。 「このご結婚は、
赤と黒との結婚です。赤が、黒に見込まれている。お姫さま、あなたは、皇子に生き血を....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
ると、これは驚いた。遼陽占領奥軍大奮闘の図、竜宮風の城砦が今まさに炎上しつつある
赤と黒との凄まじい煙の前面で、カーキ服の銃剣、喇叭、聯隊旗、眼は釣り上って、歯を....