赤の御飯[語句情報] » 赤の御飯

「赤の御飯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

赤の御飯の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夜明け前」より 著者:島崎藤村
だな金を使わせるようなことはすこしもなく、食膳も質素ではあるが朔日十五日には必ず赤の御飯をたいて出すほど家族同様な親切を見せ、かみさんのお隅がいったん引き受けた....
錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
ものもあります、お恥かしい御膳ですが、あとから持たせて差上げます。 撫子 あの、赤の御飯を添えまして。 七左 過分でござる。お言葉に従いますわ。時に久しぶりで、....
松と藤芸妓の替紋」より 著者:三遊亭円朝
買物に往かなければならんから、それでは明後日という事に極めましょう、何が無くとも赤の御飯ぐらい炊いて、目出度い事だから平常馴染の芸妓|衆でも招んでね」 婆「誠に....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
その主唱者は七兵衛で、また委員長も七兵衛であります。取って置きの食糧を整理して、赤の御飯を炊《た》く、手づくりの諸味《もろみ》の口を切る、海でとった生きのいい魚....
丹下左膳」より 著者:林不忘
出ない栄三郎の子を感じていると聞かされた泰軒、こうしてないしょに、ただそれとなく赤の御飯を炊いて栄三郎に前祝いをさせる気なのであろう――。 ガタピシと溝板を鳴....
愚かな一日」より 著者:豊島与志雄
の方は殆んどよくなったと医者から告げられていた。朝食の膳に向うと、粥のわきに少し赤の御飯が添えられていた。妻は心持ち眼を伏せて笑いながら、「今日はあなたの誕生日....
ひでり狐」より 著者:豊島与志雄
ろ》で御礼の酒盛《さかもり》をしました。それぞれ出来る限りのごちそうをこしらえ、赤の御飯をたき、金持ちは大きな酒樽《さかだる》まで買ってきて、まず第一に鎮守様に....
花子の陳述」より 著者:豊島与志雄
によかったとか、お目出度うとか、何度も繰り返しました。それから小豆を買ってきて、赤の御飯をたいて祝ってくれました。 それまではまあ無事でしたが、あとがいけませ....
狂歌師赤猪口兵衛」より 著者:夢野久作
の御寮さんの時は、それはそれは私どもに親切にして下さいました。祝儀、不祝儀の時の赤の御飯や、蒲鉾や半ペン、お煮付、油揚のようなものを、わざわざ取って置いて下さる....