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赤らむ
「赤らむ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
赤らむの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「源おじ」より 著者:国木田独歩
なく絶えずもの思わしげなるはこれまでの慣《なら》いなるべし、月日経たば肉づきて頬
赤らむ時もあらん、されどされど。源叔父は頭《かしら》を振りぬ。否々《いないな》彼....
「朱日記」より 著者:泉鏡花
、大きな背戸へ裏木戸から連込んで、茱萸の樹の林のような中へ連れて入った。目の※も
赤らむまで、ほかほかとしたと云う。で、自分にも取れば、あの児にも取らせて、そして....
「二つの庭」より 著者:宮本百合子
て見ているから、大変扱いよい。そういう意味の文章をよんだことがあった。伸子は顔の
赤らむ思いがあった。彼の作品や人柄にひとかたならず興味をひかれるところはありなが....
「トカトントン」より 著者:太宰治
にいちどくらいの割で、平気でお金を持って来ます。いまはもう、胸がどきどきして顔が
赤らむどころか、あんまり苦しくて顔が蒼くなり額に油汗のにじみ出るような気持で、花....
「一九四六年の文壇」より 著者:宮本百合子
恥ということはわれとわが身を摘発することだ、と書きはじめている。その「ぱッと顔の
赤らむ直截な感情である」羞恥とはなんであろうか、ということをこの作者は生々しい感....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
愛を購い得るのではなかった。お雪は少年が優しく懸けた、肩の手を静かに払って、颯と
赤らむ顔とともに、声の下で、 「はい、私はあのお邸へ上ります訳には参りませんので....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
とも考えます。きのう迄は部屋の都合で落付けなかった。丁度山々では紅葉《もみじ》が
赤らむのでね、善光寺詣りの団体くずれが、大群をなして温泉めぐりをやり、渋《しぶ》....
「人間繁栄」より 著者:豊島与志雄
婚するのが、いいか悪いかって……。」 彼女は真赤な顔をした。彼も何故となく顔が
赤らむのを覚えた。 「ああ私の昔のことですか。」 静子や綾子がそれをどうして知....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
分のパンを食し得るのだった。かかる代価をもって彼にパンを買わしてる人々こそ、顔を
赤らむべきであった。忍耐だ! やがて時期が来るだろう……。 しかし翌日になると....
「復讐」より 著者:豊島与志雄
。」 お多賀さんは突然別なことを言い出して、私の顔をまじまじと眺めた。私は顔の
赤らむ思いがし、そして、へんに惨めな気持ちになった。 私は下向いて、黙りがちに....
「自由人」より 著者:豊島与志雄
て、緑葉の中に没していった。 わたしはちょっと戸惑った気持ちで、そして顔が少し
赤らむ気持ちで、振り向くと、あの人は、わたしの視線を避けて、立ち上ってゆき、硝子....
「鱗粉」より 著者:蘭郁二郎
いや、それは……』 鷺太郎は、 (畜生――) と思いながらも、ぽーっと耳朶の
赤らむのを感じて、 『いや、それにしても……成るほど、あそこに寝るまで手に何も持....
「年中行事覚書」より 著者:柳田国男
さまよう内に、妹はある農民に嫁して三子を設けた。稲麦の芒を厭うて、毎年暮春の麦の
赤らむ頃から、飛羽を着て天に昇り、夏の稲取入れが終って後に、戻って来るのを習いと....