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赤らめる
「赤らめる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
赤らめるの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「千年後の世界」より 著者:海野十三
齢の婦人だったのである。フルハタは、羞恥でまっ赤になった。だが、この婦人は、顔を
赤らめるどころか、いたって平気でフルハタの前に立った。 「フルハタ助教授。そうで....
「趣味の遺伝」より 著者:夏目漱石
せてもらった。妹は余の推量に違《たが》わず例の寂光院であった。妹に逢った時顔でも
赤らめるかと思ったら存外|淡泊《たんぱく》で毫《ごう》も平生と異《こと》なる様子....
「一つの出来事」より 著者:宮本百合子
を捲いて坐っている。 少しきまりが悪いと、頬ではなく、その日に焼けた頸を所斑に
赤らめる母親は、独りの娘を珠のように労《いたわ》って、夕方涼風が立つと、並木の下....
「旅へ出て」より 著者:宮本百合子
が笑むと、ぶなの黄金色は快く笑いかえしてその間の桜のうす紅の花は恥かしがって顔を
赤らめる。 いかにも厳ながらやさしい尊い立派な様子だ。 限りない思想の大なる....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
それを思い惑《まど》うよりも、お艶はただ、すぐと栄三郎と家を持つ楽しい相談に頬を
赤らめるばかりだった。
「もうわしがおっては邪魔であろう。これ以上ここらにうろう....
「操守」より 著者:豊島与志雄
吉乃が来るまで、一人で黙って酒を飲んでいた。女中の一寸した冗談口にも、蒼白い顔を
赤らめることがあった。誰でも、だんだん図々しく場所馴れてくるものだが、彼だけは「....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ではりっぱな人だと思っていたが、しかしそれは自分の思い違いだった、車夫でさえ顔を
赤らめるようなひどいことを言い、眼は顔から飛び出し、その眼がもしピストルだったら....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ぐな身体をしてる。君のほうがずっと豊かな顔をしてるが、でも君は彼と同じように顔を
赤らめる。ここへ来てすわりたまえ、話をしよう。だれが君を私のところによこしたんだ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
王である。ゆえに神学校なるものはいかに高きへの野心を起させるところなるか! 顔を
赤らめる合唱隊の子供のいかに多くが、年わかき法師のいかに多くが、ペルレットの牛乳....
「椿の花の赤」より 著者:豊島与志雄
が、私の目についた。自分の言葉がすぐ自分に反映してくるらしく、その蒼白い顔を度々
赤らめるのだった。そのためにはまた却って彼の言葉を心からの真実なものと感じさせも....
「笑について」より 著者:岸田国士
りが極く軽微なもの、軽いものだということを知つたその場合に限られております。顔を
赤らめるということも人間としてそんなに恥ずべき道徳的欠点や、間違いに対してではな....
「決闘」より 著者:神西清
しゃるのね」とか言い返したにちがいない。だが今では、おずおずと男の方を見て、顔を
赤らめるだけだった。 「で、今日は気分はどうだい」と彼は優しくたずねた。 「今日....
「澪標」より 著者:外村繁
かりせんといてな」 「ほんなもん、わたしら、大丈夫どす」 が、とよは何故か顔を
赤らめる。その顔に鮮かに血の色がさして行くのを見ながら、私はとよはそれほど安全な....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
人の一と組なのだ。初めのほどは、酒を酌みつつ、わざとらしい猥談を放って、女客が顔
赤らめるのを興がッていた程度だったが、やがてのこと博奕道具を取出すと、ことば巧み....