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「赤ん坊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

赤ん坊の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
へ出して見せた。女の臭《にお》いのする、うすよごれた布の中には、生まれたばかりの赤ん坊が、人間というよりは、むしろ皮をむいた蛙《かえる》のように、大きな頭を重そ....
或る女」より 著者:有島武郎
にその告白を信じさすほどの生活をあえてしていたのだった。しかし母は目ざとくもその赤ん坊に木部の面影を探り出して、キリスト信徒にあるまじき悪意をこのあわれな赤ん坊....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
の妻は安座《あぐら》をかいて長い火箸《ひばし》を右手に握っていた。広岡の妻も背に赤ん坊を背負って、早口にいい募っていた。顔を血だらけにして泥まみれになった佐藤の....
紅黄録」より 著者:伊藤左千夫
と身に迫りくる。 「わたしが十六の年にこの家へ来たその秋にお前が生まれた。それで赤ん坊のときから手にかけたせいか、兄弟の中でも、お前がいちばんなつかしい」 姉....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
に寝たり、起きたりすることになった。 僕の家は、病人と痩せッこけの住いに変じ、赤ん坊が時々|熱苦しくもぎゃあぎゃあ泣くほかは、お互いに口を聴くこともなく、夏の....
海底都市」より 著者:海野十三
によって病気と絶縁《ぜつえん》する。それから人智を高度にあげる。こんな思いつきは赤ん坊にでも出来ることじゃないか。もちろん今の赤ん坊のことだがね。とにかく昔の人....
恐竜島」より 著者:海野十三
んじゃありませんやね」 フランソアもラルサンも親分格のモレロにかかると、まるで赤ん坊だ。 三人はモレロをまんなかにして、ボートを頭の上にかつぎあげた。 「さ....
宇宙尖兵」より 著者:海野十三
には、相当の出産があることでしょう。三四十人、いや四五十人はあるかもしれん」 「赤ん坊が四五十人もここで生まれるって……」 僕は笑おうとして、ふと気がつき、笑....
火星兵団」より 著者:海野十三
人、女を五百人集めてくれ。このうち、我々が集めて持って行くのは、生まれたばかりの赤ん坊が百人、五歳ぐらいの小さい子供が百人、それから十歳から十五歳ぐらいの子供が....
大宇宙遠征隊」より 著者:海野十三
はあまりに身体が重く感じ、殆んど立っては歩けぬ、ということだった。大の男たちが、赤ん坊のように、ようやく這って歩くような始末だった。 月世界で、あのちょっと跳....
みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
罰の当ったはこの方だ。――しかし、婦人の手に水をかけたのは生れてからはじめてだ。赤ん坊になったから、見ておくれ。お庇で白髪が皆消えて、真黒になったろう。」 ま....
真夏の夢」より 著者:有島武郎
なさい。あちらに着きさえすれば水をあげますからね」 とおかあさんは言いながら、赤ん坊のようなかわいたその子の口をすうてやりますと、子どもはかわきもわすれてほお....
新学期行進曲」より 著者:海野十三
これ(と生徒を制しながら)皆よろこんでくれ、先生のところでは十五年ぶりに、ついに赤ん坊が生れるのだ。神様が赤ん坊をさずけたもうたのだ。戦争で、尊い兵士は死ぬ、国....
」より 著者:犬田卯
を駈け下りた。 一日も早く植えてしまわなければならぬ八反歩ばかりの田を控えて、赤ん坊の手さえ借りたい今明日、尋常六年生のおさよは無論のこと、今年入学したばかり....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
。年がいもないと、思いながら気をつけてみると老人と娘とは夫婦なのである。おまけに赤ん坊までいるのだ。 全くうかつである。まさか赤ん坊が老人の子とは気がつかなか....