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赤シャツ
「赤シャツ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
赤シャツの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「蜃気楼」より 著者:芥川竜之介
ずまや》の横を曲り、次手《ついで》にO君も誘うことにした。不相変《あいかわらず》
赤シャツを着たO君は午飯《ひるめし》の支度でもしていたのか、垣越しに見える井戸端....
「少年」より 著者:芥川竜之介
も弁護士の子の松本《まつもと》を大将にしているらしい。紺飛白《こんがすり》の胸に
赤シャツを出した、髪の毛を分けた松本は開戦の合図《あいず》をするためか、高だかと....
「老ハイデルベルヒ」より 著者:太宰治
居るのだ。三島で由緒のある店ですよ。」と言い、むりやり入らせて、見るともう、あの
赤シャツを着たおじいさんは居ないのです。つまらない女中さんが出て来て注文を聞きま....
「坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
暑いには極ってる。文学士だけにご苦労千万な服装《なり》をしたもんだ。しかもそれが
赤シャツだから人を馬鹿《ばか》にしている。あとから聞いたらこの男は年が年中赤シャ....
「私の個人主義」より 著者:夏目漱石
が、おおかた私の書いた「坊ちゃん」でもご覧になったのでしょう。「坊ちゃん」の中に
赤シャツという渾名《あだな》をもっている人があるが、あれはいったい誰の事だと私は....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
親しくするから恐らく秘密を知っとるだろうね」 と航海士はガリバルジーといわれし
赤シャツ少尉の顔を見たり。 おりから従卒のうずたかく盛れる菓子皿持ち来たりて、....
「黄いろのトマト」より 著者:宮沢賢治
て黒く光り、鼻からふうふう息をつき、しずかにだくをやっていた。乗ってるものはみな
赤シャツで、てかてか光る赤革《あかかわ》の長靴《ながぐつ》をはき、帽子《ぼうし》....
「スパーク」より 著者:寺田寅彦
する人が幾人も出て来たりする。「坊ちゃん」のモデルの多いのは当然としても、自ら「
赤シャツ」と称するのが出て来たりするから面白い。元来作者は自分自身の中に居る「坊....
「ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
と、嫁女の部屋の窓の下を柱づたいに、こっそりあたりを憚りながら、若い衆セルゲイの
赤シャツがおりてくる。さてこそ珍事! ボリース・チモフェーイチはおもてへ躍りだし....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
鮒屋の西洋料理を食った時に、三人はやはり道後の温泉にも這入った。着物を脱ぐ時に「
赤シャツ」という言葉が漱石氏の口から漏れて両君は笑った。それはこの先生が赤いシャ....
「耕耘部の時計」より 著者:宮沢賢治
ょうち》しました。」 みんなはそれっきり黙《だま》って仕度《したく》しました。
赤シャツはみんなの仕度する間、入口にまっすぐに立って、室の中を見まわしていました....
「女房ども」より 著者:神西清
それと並んで、大きな骨ボタンの附いた黒い長上衣を着た十七ほどの少年。馭者台には、
赤シャツを着た若者が坐っている。 若者は馬をはずすと、往還へ連れ出して運動をさ....
「妻」より 著者:神西清
らせたことがわかった。控え室で百姓女が二人がかりで毛皮外套を脱がせてくれ、それを
赤シャツの百姓が釘にかけた。私がイ※ーヌィチといっしょに彼の小さな書斎へはいると....