赤塗[語句情報] » 赤塗

「赤塗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

赤塗の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
る。 ◇ 梅津利彦氏が十七八歳頃の事であったろうか。右手に赤塗のお盆を持って翁の後から舞台に行くので、子供心に何事かと思って随いて行った。....
やんちゃオートバイ」より 著者:木内高音
の小さなオートバイを持ちこみました。それは二人とも今までに見たこともないような、赤塗りのきれいな車でした。それは、たしかに有名な会社で出来た、りっぱな子供用のオ....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
袋いっぱいにさらえ込んでいる配達夫、それを見物している使小僧、スワン&エドガアの赤塗り荷物自動車、If It's Trueman, It Is a Beer の....
喫煙四十年」より 著者:寺田寅彦
で通る赤服の岩谷天狗松平氏を見掛けた記憶がある。銀座二丁目辺の東側に店があって、赤塗壁の軒の上に大きな天狗の面がその傍若無人の鼻を往来の上に突出していたように思....
オランウータン」より 著者:豊島与志雄
鏡ででもあろうか。 そこを通りすぎると、私は裏道から来たのだ、小さな鳥居の列。赤塗りの鳥居、白木の鳥居、すきまなく立並んで、而も頭につかえるくらい低い。その長....
復讐」より 著者:豊島与志雄
鉢も、三味線も、衣桁になげかけられてる衣類も、其他すべて、ぼーっとくすんでいる。赤塗りの本箱の上に、花器に※してある菊は、葉がしおれかけ、白と黄の花輪も艶を失っ....
非情の愛」より 著者:豊島与志雄
る。僕の近くの稲荷様も、そうだった。そして秋になると、隙間もないほど立ち並んでる赤塗りの鳥居に、黄色い銀杏の葉が降りかかる。その黄色い花吹雪の下の赤いトンネルを....
名士訪問記」より 著者:海野十三
字の看板があって、「佐野電気特許事務所」とある。どういうつもりか「電気」の二字が赤塗になっている。 氏は大きな革製の椅子に小さい身体を埋めて、大きな出勤簿を机....
南国太平記」より 著者:直木三十五
そして、違棚の上の、手函の中から、金包を出した。押入の中から、小さい、支那渡りの赤塗の、金具の光った箱を出した。その中には、旅に必要な品々が、入っていた。女の足....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
ままで外へ出たのを、叱られはすまいかという心配と、穿いているぽっくりという下駄、赤塗の畳付で綺麗な鼻緒がたって、初めは他所ゆきだったのが、古くなってすっかり減っ....
」より 著者:岡本かの子
と停ち止まった。お民が隠れて居る所から一丁半も向うの此の屋敷町が直角に曲る所に、赤塗りポストの円筒が、閑静な四辺に置き忘れられたように立って居る。そのポストの傍....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
被股引真黒な車夫が、鼻息を荒く、おでんの盛込を一皿、銚子を二本に硝子盃を添えた、赤塗の兀盆を突上げ加減に欄干|越。両手で差上げたから巻莨を口に預けたので、煙が鼻....
元八まん」より 著者:永井荷風
ぐ音も聞えないのは、日も漸く傾いて、ひとしきり風の鎮る時刻になったせいであろう。赤塗の自転車に乗った電報配達人が綱を綟《よ》っている男女の姿を見て、道をきいてい....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
という宗派に属して居るのです。で、その寺はやはりチベット風の四角形の石造りの堂で赤塗になって居ります。その本堂に沿うて建てられてある白塗の石造りの家屋はすなわち....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
、サイダァ、牛乳、餡パン、マッチ、新聞、―― あ、坊やの声だ。隆太郎、隆太郎。赤塗りの羽目板の家はたしかに監視人の小舎であった。 ほんの掌ほどの畠、刺身のつ....