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赤字
「赤字〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
赤字の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「国際殺人団の崩壊」より 著者:海野十三
うだから」と、今し方、鬼村博士が習慣的にかえして行ったために、「不在」をあらわす
赤字の札になっているのを指しながら彼氏はあとから顔を出した助手に云った。「今試作....
「地中魔」より 著者:海野十三
中で使ったばかりだったんだ。大きい男というからには、岩にちがいない。ほーら御覧、
赤字で岩と書いてあるじゃないか。僕たちは、馬鹿にされているんだよ」 懐中電灯で....
「縮図」より 著者:徳田秋声
たちと一緒に、やがて湯島に一軒家をもったが、結局それも長くは続かず、松島の商売も
赤字つづきで、仕送りも途絶えがちになったので、今度は方嚮をかえ公園へ出た。小菊に....
「物売りの声」より 著者:寺田寅彦
て帽子はかぶらず、そのかわりに白張りの蝙蝠傘をさしていた。その傘に大きく、たしか
赤字で千金丹と書いてあったような気がする。小さな、今で言えばスーツケースのような....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
罷業不安時代 一、この罷業はなぜ正当か? 東京市電気局は、市電営業による
赤字年額八百万円を克服するために、今回主として市電従業員の整理を中心とする整理案....
「喫煙四十年」より 著者:寺田寅彦
一人前になれないような気がしたことはたしかである。 煙草はたしか「極上国分」と
赤字を粗末な木版で刷った紙袋入りの刻煙草であったが、勿論国分で刻んだのではなくて....
「傷痕の背景」より 著者:豊島与志雄
その様子を、杉本は、頭から足先まで一度に抱き取る眼付で、じっと見ながら、前日の、
赤字で一杯になってる原稿を、返してやった。小林はそれを丁寧に読み分けて、腑に落ち....
「悲しい誤解」より 著者:豊島与志雄
何にも出来はしない。会社全体の実情だって、われわれには何にも分らない。会社全体が
赤字かどうかも疑問で、現に、三階の広間は、壁が新らしく塗りかえられ、豪奢な椅子卓....
「擬体」より 著者:豊島与志雄
知ってるでしょうが、石村証券の経営状態は、今のところ、どうなっていますか。」 「
赤字ですなあ。」 「それじゃあ、退職金も出せませんか。」 五十過ぎた律儀な丸田....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
れが出来ないのさ。鉱石を駅まで十里の山径を運びださなきゃならないのさ。その運賃で
赤字なのだ。鉱石をきりだしてるのは海岸なんだぜ。港をつくりゃ、もうかるのさ。大き....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
三銭に改め、約五割ほどの引上げをした程度に止まるのであったから、同業者は内実みな
赤字となって困難した。それでも世間一般好景気の手前、泣言もいえぬという有様であっ....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
と見当がつくのに、あれだけの場所であの店構えで、よくやっているなと思うような所は
赤字である場合が多い。そうでなければ、その蔭には有力な出資者がいるとか、他に本収....
「大阪の憂鬱」より 著者:織田作之助
言うのには、 「七月一日から煙草が値上りになるのは、たびたびの盗難による専売局の
赤字を埋めるためだ」と。 それほど盗難が多いし、また闇商人が語っているように、....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
小さくは毎日のその時々に適するよう、気配り、工夫が要るということです。国の財政に
赤字が多く、外国為替がとても高価いときに、外国品を好んで買うことなぞはいかがなも....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
とにしていた。現実のきびしさと、金の尊さを知っていたこともあるが、実際商売の方も
赤字続きだったのである。こんな悪戦苦闘のなかで出資者たちはつぎつぎと私から離れて....