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「赤心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

赤心の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
》でみごとに光っていた。柱のめくり暦は十月五日を示して、余白には、その日の用事が赤心《あかしん》の鉛筆で細かに記してあった。大きな字がお母さんで、小さな字がおぬ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
もので明らかにされ、それからそれへと伝えられるようになった。それには申年の三月に赤心報国の輩が井伊大老を殺害に及んだことは毛頭も幕府に対し異心をはさんだのではな....
新ハムレット」より 著者:太宰治
ことの忠臣、いや、父の名を恥ずかしめぬ天晴れの勇者です。わしたちは、レヤチーズの赤心に報いなければならぬ。いまは、デンマークも立つべき時です。ノーウエーとの永年....
新郎」より 著者:太宰治
事ほど醜い生きかたは、ありません。私たちは、信じているのです。一寸の虫にも五分の赤心がありました。苦笑なさっては、いけません。無邪気に信じている者だけが、のんき....
惜別」より 著者:太宰治
んをして長大息を発せしめたものは、この短いたよりの中に貫かれている鮮やかな忠義の赤心であった。 「はっきりしていますね。」と周さんは、何か自身が大きいお手柄でも....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
りします。肌身離さず大切に所持してもらいます……。』 両眼に涙を一ぱい溜めて、赤心こめて渡された紀念の懐剣――それは刀身といい、又装具といい、まことに申分のな....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
においてけぼりを食わされたので、この上は帰藩して飽《あく》まで佐幕の旗を翻えし、赤心を明かにしようと決心された。折から前にいった藩の援兵が、その時一隻だけ持って....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
、勤め人の生態がそうではないか。 だいたい、人の心を買うものが、こっちの誠意や赤心だという考えがまちがっている。誠意や赤心というアイマイなものは、売買の規準に....
大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
にも解る奴がいる。他でもない西郷だ。西郷吉之助ただ一人だ。で俺はきゃつに邂逅い、赤心を披瀝して談じるつもりだ。解ってくれるに相違ない。そこで江戸と江戸の市民と、....
南国太平記」より 著者:直木三十五
、性に従って、長短がある。俺は、今更、科学者にもなれん。ただ、名も、金も要らん。赤心をもって、公のため、天下のために働いてみる」 「そうか」 大久保が、こう云....
私信」より 著者:太宰治
ほど醜い生きかたは、ありません。私たちは、信じているのです。一寸の虫にも、五分の赤心がありました。苦笑なさっては、いけません。無邪気に信じている者だけが、のんき....
自作肖像漫談」より 著者:高村光太郎
のは園田孝吉男の胸像であった。相州二の宮の園田男別邸へ写生に行ったり、その著書「赤心一片」を精読したりしてほぼ見当をつけて作った。男は長く十五銀行の頭取だった人....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
もかつて倦色を示した事がなく、如何なる人に対しても少しも城府を設けないで、己れの赤心を他人の腹中に置くというような話しぶりは益々人をして心服せしめずには置かなか....
西航日録」より 著者:井上円了
なわち、拙作をもってこれを祝す。 喜麻拉亜の雪はいかほど深くとも埋めかねたる君が赤心 河口氏がインド国境ダージリンに達し、康有為氏に会し、入蔵の願望を遂げたる....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
け取る。あるものは大胆な 術士が貰いに行く。そしてその術士は 人の望むがままに、赤心を人の腹中に置いて、 おおように、吝まずに不思議を見せるのである。 ....