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赤樫
「赤樫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
赤樫の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あやかしの鼓」より 著者:夢野久作
鼓の胴が世の常の桜や躑躅《つつじ》と異《ちが》って「綾《あや》になった木目を持つ
赤樫《あかがし》」で出来ているところからもじったものらしい。同時にこの名称は能楽....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
うもん》ついた小袖に、襷《たすき》を綾《あや》どり茶宇《ちゃう》の袴、三尺一寸の
赤樫《あかがし》の木刀に牛皮の鍔《つば》打ったるを携えて、雪のような白足袋に山気....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
相手」 こう云ったのは石渡三蔵で、上段の間からヒラリと下りると壁にかけてあった
赤樫の木剣、手練が使えば真剣にも劣らず人の命を取るという蛤刃の太長いのをグイと握....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
せたというわけなんです、実は……」 この分だと、貫一の着た高等学校の制服だの、
赤樫《あかがし》の持った鰐皮《わにがわ》のカバンまで探して来るかも知れない。閑話....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
。勿論、蝙蝠に引出されたんで。 十五 小宮山は切歯をなして、我|
赤樫を割って八角に削りなし、鉄の輪十六を嵌めたる棒を携え、彦四郎定宗の刀を帯びず....
「生前身後の事」より 著者:中里介山
という女形であって、河井と喜多村はその頃は上方へでも行っていたか出ていなかった、
赤樫満枝を女団十郎と称ばれた粂八《くめはち》が新派へ加入して守住月華といってつと....
「石塀幽霊」より 著者:大阪圭吉
の生えた灰色の甍は、アパートのどの窓からも殆んど覗う事の出来ない程に鬱蒼たる櫟や
赤樫の雑木林にむっちりと包まれ、そしてその古屋敷の周囲は、ここばかりは今年の冬に....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
道具を着けず木刀にての試合に、まさに真剣の立合いと、何の異なるところもなく、
赤樫蛤刃の木刀は、そのまま真の剣であり、名人の打った一打ちが、急所へ入らば致命傷....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
、不意に飛び上がると手をのばして、板壁に幾本かかけられてある、型の練習に使用する
赤樫蛤刃の木剣の一つを、やにわに握ると矢のように飛び出し、四人目の門弟を打ち込も....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
木理美しき槻胴、縁にはわざと
赤樫を用いたる岩畳作りの長火鉢に対いて話し敵もなくただ一人、少しは淋しそうに坐り....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
が三人押入りまして、強談をいたして居りまするから、仙太郎が欄間に掛ってありました
赤樫の半棒を取って、そッと忍んで、二階の梯子段を下り、縁側伝いに来て障子の外から....
「宇賀長者物語」より 著者:田中貢太郎
りました。それには二百人に近い奴隷がいて、その仕事をやっておりました。長者は太い
赤樫の杖を持って、日毎に奴隷の前にその姿を見せました。
赤樫の杖は、時とすると、奴....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
と持って見ると、僕らには、両手でも重くてうかつには持ち上げかねる重さである。木は
赤樫で、四尺七、八寸ある。櫂なので握りも太い。これに水分が加わっていたら普通の力....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
濯ぐことをアラタメルと謂ったのも、もとは別の盃にするという意味で、「金色夜叉」の
赤樫満枝という婦人などが、「改めてございませんよ」と謂って、盃を貫一にさしたのを....