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赤玉
「赤玉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
赤玉の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
スマスまでには、百万円回収出来ると思うがなア」 「さア、東京でどうかしら。大阪の
赤玉なんか西瓜一個で五千円動かせるって話だけど。……東京じゃ、新円が再封鎖になっ....
「五月の朝の花」より 著者:岡本かの子
粉花を一ぱいに敷きつめてくれる。 もう少し行って御らんなさい。 そら、大粒の
赤玉、白玉のメノーを七宝の青い葉茎がくっきりうけとめている、チューリップ! ル....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
意深く眼を配っていると、なにか新社員のみじめさといったものが寒々と来た。道頓堀の
赤玉のムーラン・ルージュが漸くまわり出して、あたりの空を赤く染めた。待たされてい....
「世相」より 著者:織田作之助
座は戎橋の北東詰を宗右衛門町へ折れた掛りにあり、道頓堀の太左衛門橋の南西詰にある
赤玉と並んで、その頃大阪の二大カフェであった。
赤玉が屋上にムーラン・ルージュをつ....
「古事記物語」より 著者:鈴木三重吉
しくて、かたときもお忘れになることができませんでした。それで玉依媛にことづけて、
赤玉は、 緒さえ光れど、 白玉の、 君が装し、 貴くありけり。 ....
「大阪を歩く」より 著者:直木三十五
入したが、これは、野蛮人がローマへ攻め入ったのと同じだと見た方がいい。少くとも「
赤玉」とか「美人座」とかいう俗悪な名称は、非文化的大阪人の頭からでないと生れない....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
、まだよく判然しないけれども、先ず河合ダンスと少女歌劇と、あしべ踊りと家族温泉と
赤玉女給等は、かなり確かな存在であろうと考える。 北極がペンギン鳥を産み、印度....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
へほんのちょっと降りて見て、直に私はその横町に道頓堀と同じレコードの伴奏によって
赤玉を偲ばしめるであろうところの女給の横顔を認めることが出来た。頼もしくもまた悲....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
、天平勝宝二年十二月雪の降った日にこの歌を作った。山橘は藪柑子で赤い実が成るので
赤玉ともいっている。一首は、この大雪が少くなった残雪の頃にみんなして行こう。そし....
「地震雑感」より 著者:寺田寅彦
のようなものである、たとえ場合によっては地震の強度を分類する事はあっても、結局は
赤玉と黒玉とを区別するようなものである。第二には地震計測の方面がある。この方面の....
「雪の夜」より 著者:織田作之助
五年前だった。今は本名の照枝だが、当時は勤先の名で、瞳といっていた。道頓堀の
赤玉にいた。随分通ったものである、というのも阿呆くさいほど今更めく。といっても、....
「米」より 著者:犬田卯
始末がつかぬと言うのである。 「それ、何時頃だか。」 「十時か十一時頃――」 「
赤玉飲ませたか」とおせきはせかせかと言い放った。 「飲まねえもの、――袋から出し....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
い花壇がふたところ。 実に愉快だ。黄だ、赤だ、雪白、紫、緑いろ、 白玉|葵、
赤玉葵、 スウィートロッケット、シャスターデーシー、 また、金蓮花、 そし....
「雨」より 著者:織田作之助
引きかえしたが、しかし、又、明るい通りに出てしまった。道頓堀筋、そこのキャバレエ
赤玉の前を通ると、アジャーアジャーと訳の分らぬ唄声、そして途端に流れる打楽器とマ....
「俗臭」より 著者:織田作之助
のだ。千恵造夫婦は京城にいる賀来子の伯父を頼って朝鮮に渡り、今は京城の色町で、「
赤玉」という小さな撞球場兼射的場をひらいてさゝやかな暮しをしている、内地とちがい....