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赤痢
「赤痢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
赤痢の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
、
「早《はよ》う内さ行くべし。汝《われ》が嬰子《にが》はおっ死《ち》ぬべえぞ。
赤痢さとッつかれただ」
といった。他愛のない夢から一足飛びにこの恐ろしい現実に呼....
「或る嬰児殺しの動機」より 著者:佐左木俊郎
しい疑いがあるからだった。その便所に多量の血便らしいものが捨てられてあったので、
赤痢に相違ないというのであった。 しかし、村には火葬場がなかった。伝染病患者の....
「骨を削りつつ歩む」より 著者:佐左木俊郎
工事場では詩を作るのをやめ、休息の時間を利用して読書をすることにした。十一月には
赤痢にも罹《かか》って床に就いたりしたが、私に取ってはこの年ほど勉強の出来た年は....
「旧主人」より 著者:島崎藤村
となって、地獄の釜の蓋《ふた》の開くかと思えば、直《じき》に仏の花も捨て、それに
赤痢の流行で芝居の太鼓も廻りません。奥様は外《そと》の御歓楽《おたのしみ》をなさ....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
る人があろう。私たちは子供のときから何十たびか夜店の西瓜を買って食ったが、幸いに
赤痢にもチブスにもならないで、この年まで生きて来た。夜の灯に照らされた西瓜の色は....
「わが町」より 著者:織田作之助
死んだ者が九十三人であった。平均一日に一人の割合である。なお、マラリヤ、コレラ、
赤痢で死ぬ者も無論多かった。 契約どおり病院はあった。が、医療設備など何ひとつ....
「海」より 著者:梶井基次郎
んなに思っていても僕達は一度も島へ行ったことがなかった。ある年の夏その島の一つに
赤痢が流行ったことがあった。近くの島だったので病人を入れるバラックの建つのがこち....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
接目で泡立っていた。その場所に漂う気持の悪い悪臭が私の胸を悪くさせた。もし熱病や
赤痢を嗅げる処があるとするなら、あの厭な碇泊所こそ正にそれであった。例の大人の悪....
「肝臓先生」より 著者:坂口安吾
顔である。 「たしかに肝臓だけですとも。心配なさることはありません」 「チブスや
赤痢ではないでしょうね」 「絶対に大丈夫」 「チブスや
赤痢じゃないかと心配したの....
「無人島に生きる十六人」より 著者:須川邦彦
十六人とも、おなかのぐあいがわるくなっていたのだ。ひどい下痢をおこして、まるで、
赤痢にかかったようになってしまった。薬はなんにもないのだ。どうなることかと、たい....
「西瓜」より 著者:岡本綺堂
それで一旦はよほど快方にむかったようでしたが、廿日過ぎから又悪くなって、とうとう
赤痢のような症状になって……。いや、まだ本当に
赤痢とまでは決定しないうちに、おと....
「チェーホフ試論」より 著者:神西清
まで食い足り満ち足りて、陶然たる気持だ。もう何も欲しいものはない。中風で死のうが
赤痢で死のうが悔いなしというところだ。僕はサガレンという地獄も見たし、セイロンと....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
ていると思います。心静かに暮らしていますからよろこんで下さい。家内と子供とは実は
赤痢だったのですが、幸いに全快しましたから安心して下さい。 クリスマスには地三....
「知々夫紀行」より 著者:幸田露伴
りと聞きたれば、昼餉食べにとて立寄りたる家の老媼をとらえて問い質すに、この村今は
赤痢にかかるもの多ければ、年若く壮んなるものどもはそのために奔り廻りて暇なく、か....
「わが町」より 著者:織田作之助
、八、九の三ヶ月間に、脚気のために死んだ者が九十三人であった。マラリヤ、コレラ、
赤痢は勿論である。 契約どおり病院はあった。が、医療設備など何ひとつなく、ただ....