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赤紙
「赤紙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
赤紙の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「おしの」より 著者:芥川竜之介
し物《もの》に代え、右手《めて》に三尺五寸の太刀《たち》を抜き、左手《ゆんで》に
赤紙の扇《おうぎ》を開き、『人の若衆《わかしゅ》を盗むよりしては首を取らりょと覚....
「鼻」より 著者:ゴーゴリニコライ
ルーブル紙幣のこと。紙幣の色により、当時五ルーブル紙幣を青紙幣、十ルーブル紙幣を
赤紙幣と称した。 ペレジナ煙草――南ロシア産の下等な安煙草。 ラペー――フラ....
「蘭学事始」より 著者:菊池寛
っていた。彼らが急いで帰り支度にかかっている時だった。中川淳庵の私宅から、小者が
赤紙の付いた文箱を持って、駆けつけてきた。 淳庵は、その至急を示した文箱を、ち....
「藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
」 (歌い終ると、役者たち拍手をして慰《ねぎら》う。下手の障子をあけ、宗清の女中
赤紙の付いた文箱を持って出る) 女中 藤十郎様にお文がまいりました。 若太夫....
「安重根」より 著者:谷譲次
行しようという者がある。(叫ぶ)コレア・ウラア! 安重根ウラア! 禹徳淳 (手の
赤紙を読み続ける) 究凶究悪惨たる手段 十強国を欺きて 内臓を皆抜き取りながら ....
「国際民婦連へのメッセージ」より 著者:宮本百合子
よりも先に婦人大衆であることを明瞭に語っているものです。 戦争へ召集する一枚の
赤紙はその絶対命令によって、日本のあらゆる家庭から良人と父親、愛人、兄弟たちを奪....
「現実の必要」より 著者:宮本百合子
も無権利である女性と青年たちが、戦争の最もひどい犠牲となった。働き盛りの男子が、
赤紙一枚で数百万人も殺されたということは、じかに婦人と青年たちの生活の負担となっ....
「国宝」より 著者:宮本百合子
、もう官僚機構の腐敗のままに薄情きわまる扱いをして恥も知らないやりかたは、何と「
赤紙一枚」を思わせるだろう。きょうの辛さに喘いでいる数十万の未亡人、孤児、戦傷者....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
、これで南シナ海のほぼ中央あたりに達したわけである。 カレンダーは四月六日で、
赤紙の日曜日となっている。 夜に入っても気温はそれほど下らず、艦内は蒸風呂のよ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
に吹聴したけれども、そう皆は可笑しそうでないので、又可笑しかった。 御父さんは
赤紙が来たとき、よかったと仰云った由。きのうは、出発の前、組合の人々が来て、女連....
「アンゴウ」より 著者:坂口安吾
矢島は神尾にこの本を貸していたのだ。そのうちに、神尾もこの本を手に入れた。矢島に
赤紙がきて、神尾の家へ惜別の宴に招かれたとき、かねて借用の本を返そうというので、....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
と、なぜだか、父の死が迫っているように感じた。
女中が、廊下を走って来て
「
赤紙どすえ」
と、障子を開けた。小太郎が躍り出るように立上って、受取った。八郎....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
。……この春、一度寺を見るつもりで草津へ帰ると、お沢の家主の久五郎というひとから
赤紙つきの手紙が届いておった……」 「ははあ、いよいよ事件ですな」 「手紙のおも....
「昭和遊撃隊」より 著者:平田晋策
清君も頬《ほお》を林檎《りんご》のように赤くして興奮した。机の上には『極秘』の
赤紙が貼《は》られた怪潜水艦『富士』の青写真が、ものものしくひろげられている。 ....
「平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
…」 と言って、帳場の状差を指《ゆびさ》し、 「ごらんの通り、長崎やお江戸から
赤紙付やら早文《はやぶみ》やらあの通り仰山《ぎょうさん》に届いておりますんだすが....