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「赤蟻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

赤蟻の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
男女同権」より 著者:太宰治
も不愉快、あなたはユダヤ人だったのですね、はじめてわかりました、虫にたとえると、赤蟻《あかあり》です、と書いてあるのです。何の事だか、まるでナンセンスのようでご....
朱日記」より 著者:泉鏡花
ツ二ツずつ続いたんだが、限りが知れん、幾百居るか。 で、何の事はない、虫眼鏡で赤蟻の行列を山へ投懸けて視めるようだ。それが一ツも鳴かず、静まり返って、さっさっ....
魚の序文」より 著者:林芙美子
いたのか、五月の冷々《ひえびえ》とした畳《たたみ》の上にうつぶせになって、小さい赤蟻《あかあり》を一|匹《ぴき》一匹指で追っては殺していた。 「ねエ、私、お裁縫....
恐竜島」より 著者:海野十三
ぶりでもってマルタン氏に感謝した。つっ立っている二人の脚から腹へ、腹から胸へと、赤蟻《あかあり》がぞろぞろとはいあがってきた。 「もう一息だ。元気を出して……」....
火星探険」より 著者:海野十三
こっちへ向って来るではないか。何百人、いや何千人、いやいやもっと多いのだ。まるで赤蟻の大群が引越しをするような有様で、隊伍をととのえて沙漠を横断し、この宇宙艇へ....
或る素描」より 著者:豊島与志雄
い。」 「うむ……。」 意味のない返辞をしたきりで、彼はまた地面に眼を落した。赤蟻がそこらを這い廻っていた。然し彼はもう餌をやりもしないで、じっと傍観してるき....
田舎医師の子」より 著者:相馬泰三
なく、恍惚として遠い昔に思を馳せているのであった。彼の足もとのあたりには、小さな赤蟻の群が頻りに何か忙しそうに活動していた。彼の虚な目は見るともなしにそれに見入....
不在地主」より 著者:小林多喜二
本勝った、日本勝った、ロシア負けたア……」 枝切れで蟻穴をつッついていた。 「赤蟻、露助。黒蟻、日本。――この野郎、日本蟻ばやッつける積りだな。こん畜生。こん....