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赤襷
「赤襷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
赤襷の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
うし》ろ姿の眼《め》につくは、目暗縞《めくらじま》の黒きが中を斜《はす》に抜けた
赤襷《あかだすき》である。一里を隔《へだ》てても、そこと指《さ》す指《ゆび》の先....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
阿弥陀にかぶって、赤銅色の逞しい腕に撚をかけ、菅笠若くは手拭で姉様冠りの若い女は
赤襷手甲がけ、腕で額の汗を拭き/\、くるり棒の調子を合わして、ドウ、ドウ、バッタ....
「その年」より 著者:宮本百合子
お茂登の店の前を通らなければならない。紫や白の旗幟を先頭に、ゴム長をはいた村長、
赤襷の出征兵、ぞろぞろと見送人の行列がつづいて、何里か先の村を出たときは降ってい....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
から泊り込みで手伝いに参っておりました。オモヨさんも高島田に結うて、草色の振袖に
赤襷がけで働いておりましたが、何に致せ容色はあの通り、御先祖の六美様の画像も及ば....
「夜の靴」より 著者:横光利一
組み合った糸杉の群りすすんで来るような朝の雨だ。峠を越えて魚売りの娘の降りて来る
赤襷。その素足、――参右衛門の炉端へ人が集っている。どうやらこのごろになって、村....
「落ちてゆく世界」より 著者:久坂葉子
こみ上げて来ます。銅像といえば、私の祖先も曽祖父も銅像がたてられました。けれども
赤襷をかけて戦争中出征致しました。御影石の台だけが、お寺のある山にのこっておりま....
「魔都」より 著者:久生十蘭
夕刊夕陽新聞と染め抜いてある。が、これだけでは何のことやら判らない。折よくそこへ
赤襷をかけた背広の男がチラシを配りながらやって来るからその一枚を受取って読んでみ....
「不在地主」より 著者:小林多喜二
折って坐るものであります、と答えればいいと皆を笑わせた。) 情報、三 毎日、
赤襷をかけて、岸野の店先きに出掛けるばかりでも、小樽の市民に「岸野の小作人」の顔....