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「赤貝〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

赤貝の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
乾いていた。盤台も片隅に積んであった。その盤台のかげの方に大きい蠑螺《さざえ》や赤貝の殻《から》が幾つもころがっているのが、彼の眼についた。なかなか大きい貝だと....
」より 著者:岡本かの子
後も五、六度、母親の手製の鮨に子供は慣らされて行った。 ざくろの花のような色の赤貝の身だの、二本の銀色の地色に竪縞のあるさよりだのに、子供は馴染むようになった....
紅黄録」より 著者:伊藤左千夫
もみをしているのであった。 このごろの朝の潮干は八時過ぎからで日暮れの出汐には赤貝の船が帰ってくる。予らは毎朝毎夕浜へ出かける。朝の潮干には蛤をとり夕浜には貝....
放浪の宿」より 著者:里村欣三
露助奴!」 彼は酔った。怒鳴る本人すら訳の解らない啖呵を吐き出しながら、顔中を赤貝みたいにむき出して、笑い崩れるロシヤ人のテーブルを泳ぎ廻った。 『若いの』は....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
料理屋の余り露骨は可訝しいがね、腰掛同然の店だからさ、そこから、むすび針魚の椀、赤貝の酢などという代表的なやつを並べると、お時が店をしめて、台所から、これが、ど....
霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
の。 七 たき「何んにも無いが、魚屋に頼んで置いたら些っとばかり赤貝を持って来たからお食りな」 松「何んだか何うも心配だなア」 たき「大丈夫だよ....
月明」より 著者:豊島与志雄
わよ。」 と俊子は云って、まだ笑ってる眼付で彼の方をちらと見た。 彼は大きな赤貝の殼を拾って、川の方へ力一杯に投げた。その真白いのが空高くくるくると廻って、....
新学期行進曲」より 著者:海野十三
ものかしら。(気分をかえて)えー斧足類は蛤に蜆に牡蠣、あさり、あげまき、帆立貝、赤貝、ばか貝。 △音響、格子ががらがらとあく。(父親の帰宅) 父親 なんだ。赤貝....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
っかりと胡坐《あぐら》をかいた釘抜藤吉は、珍しく上機嫌だった。「おうっ、姐さん、赤貝の酸《す》を一枚通してくんねえ。こうっと――そうよなあ、傷口を検《み》て菜切....
二階から」より 著者:岡本綺堂
も知れないと、私はこの時初めて感じた。 日本の演劇で蛙の声を聞かせる場合には、赤貝を摺り合せるのが昔からの習であるが、『太功記』十段目の光秀が夕顔棚のこなたよ....
握り寿司の名人」より 著者:北大路魯山人
まぐろが加わらなければ寿司を構成しない。その他、本場ものの穴子の煮方が旨いとか、赤貝なら検見川の中形赤貝を使うとかで、よしあしはわけもなくわかるが、とにかくまず....
料理メモ」より 著者:北大路魯山人
し適当に塩や酢が回らないとなまぐさい。たいがいは皮剥。 *わたしの嗜好からいうと赤貝赤貝のヒモが一等いい。 *のり巻きはしっとりしめったのはまずい。のりが乾燥....
古事記」より 著者:太安万侶
ないでしよう。袋を背負つておられても、きつとあなたが得るでしよう」と申しました。赤貝姫と蛤貝姫 ――前の兎と鰐の話と共に、古代醫療の方法について語つている説....
三州仕立て小蕪汁」より 著者:北大路魯山人
。三州仕立ての味噌汁は、ほかに江戸前のこいなど入れて煮込むやり方もあるし、白魚、赤貝などの軽いもので拍子を取る場合もある。また、豆腐でつくる場合もある。それは濃....
料理一夕話」より 著者:北大路魯山人
に認められるもんでもないね。東京のある一流のすしやが新橋にあるが、あそこの主人が赤貝のひもなど洗っている時、しゃあと手を動かし、「今日は市場にいいのがたった二十....