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赤酒
「赤酒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
赤酒の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恐怖城」より 著者:佐左木俊郎
ばあ》やが間近く顔を寄せながら言った。そして、その右手をわなわなと顫わしながら、
赤酒《せきしゅ》らしい赤紫色の液体をなおも紀久子の口に勧めようとしていた。 「お....
「三四郎」より 著者:夏目漱石
んな、ごたごたに席へ着いた。順序もなにもない。食事は始まった。 三四郎は熊本で
赤酒《あかざけ》ばかり飲んでいた。
赤酒というのは、所でできる下等な酒である。熊本....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
やつやと照れるを、長く組みて枕上にたらしたり。枕もとには白衣の看護婦が氷に和せし
赤酒を時々筆に含まして浪子の唇を湿しつ。こなたには今一人の看護婦とともに、目くぼ....
「白い蚊帳」より 著者:宮本百合子
ないように足許の台に乗せたスタンドの明りで、なほ子は皿に盛られたままの煮た果物や
赤酒のコップなどを見た。それ等は少くとも午後からじゅうそのままそこに置かれていた....
「肌色の月」より 著者:久生十蘭
すか、あるなら探して来るけど」 大池は食器棚を指さした。 「……ジギタミンと、
赤酒を……」 食器棚の曳出しにはそれらしいものはなかったので、浴室へ行って、壁....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
発声療法。(大きな声を出す療法) 同 一一・三〇 カルシウム・ビスケット一個。
赤酒五|瓦《グラム》。 午後 一・〇〇 コントラ・バスの演奏。 同 二・〇....
「人工心臓」より 著者:小酒井不木
は突然、研究室内で卒倒しました。私はとりあえず、妻を抱き上げてベッドの上に移し、
赤酒を与えると、間もなく意識を恢復しましたが、額に手を触れて見ると火のようにほて....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
、互に向い合せて、さて、スープの鍋底を大きな杓子でひっ掻きまわし、パンをもぎり、
赤酒を、また牛の髄骨をしゃぶるらしい。そこでベッドは赤い爺さんのにきまった。たぷ....
「水郷異聞」より 著者:田中貢太郎
いる黒い罎を執って、それを傍のコップに注いで省三の前に出して、 「お茶のかわりに
赤酒をさしあげます、お嫌いじゃございますまいか」 「すこし、戴きましょう、あまり....