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赤電車
「赤電車〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
赤電車の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
出来事に遇うものです。その中でも可笑《おか》しいのは人気《ひとけ》のない町を行く
赤電車や青電車が、乗る人もない停留場へちゃんと止まる事でしょう。これも前の紙屑同....
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
めいた身振りをするのも、同じヤトナであってみれば、ひとごとではなかった。夜更けて
赤電車で帰った。日本橋一丁目で降りて、野良犬《のらいぬ》や拾い屋(バタ屋)が芥箱....
「わが町」より 著者:織田作之助
きうけるとなると、ヤトナもらくな商売ではなかった。 おまけに、帰りは夜更けて、
赤電車で、日本橋一丁目で降りて、野良犬やバタ屋が芥箱をあさっているほかに人通りも....
「提灯」より 著者:田中貢太郎
何時も見ると云うのです。ところで二三日前の晩にやはり僕達と遅くまでバーを歩いてて
赤電車に乗って帰り、其処を通りながらその電灯が気になるので、それを見い見い歩いて....
「都会の幽気」より 著者:豊島与志雄
となって、ただ眼だけに意識の力が集っているという状態だった。それと見て飛び乗った
赤電車の中の、粗らな乗客の総毛立ったような顔や、じっと考え込んでいるらしい冷たい....
「名古屋スケッチ」より 著者:小酒井不木
のであるから、この悪口に気を揉む必要はないであらう。その代り、広小路伯爵たちは、
赤電車の通つたあとの広小路には多くは無関心である。けれども、名古屋の名古屋らしさ....
「濹東綺譚」より 著者:永井荷風
帚葉翁はいつも路地を抜け、裏通から尾張町の四ツ角に出《い》で、既に一群をなして
赤電車を待っている女給と共に路傍に立ち、顔|馴染《なじみ》のものがいると先方の迷....
「雪の夜の怪」より 著者:田中貢太郎
りだしたと見えて地べたは白かあなかったのですよ。 それから停留場へ来て見ると、
赤電車が出ようとするところじゃありませんか、急いで後から飛び乗って、見ると、三人....
「つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
。」 「あなたも節約して電車になさいよ。矢《ヤア》さん。」と君江は丁度来かかった
赤電車の方へとすたすた行きかけたので、矢田はとやかく言っている暇もなく、二人の後....