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赤面
「赤面〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
赤面の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
思うのは、明らかに矛盾である。とっさにこういう自省を動かした彼は、あたかも内心の
赤面を隠そうとするように、あわただしく止め桶の湯を肩から浴びた。
「でございまし....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
たちが、先生の誠意を疑って、生活のためと嘲《あざけ》ったのも、今となっては心から
赤面のほかはない誤謬《ごびゅう》であった。思えばこの暇つぶしと云い生活のためと云....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
曲げながら、息せき切って配縄をたくし上げている。君は子供のように思わず耳もとまで
赤面する。 「なんというだらしのない二重生活だ。おれはいったいおれに与えられた運....
「親子」より 著者:有島武郎
て彼の方を顧みた。けれども彼は父と同様珠算というものを全く知らなかった。彼がやや
赤面しながらそこらに散らばっている白紙と鉛筆とを取り上げるのを見た父は、またして....
「海底都市」より 著者:海野十三
になってしまった。自動車を知らない案内人なんて、じつに心細い話だ。僕はこの少年を
赤面させないようにと思って、次のようにいった。 「つまり、僕たちは歩いてばかりい....
「地球要塞」より 著者:海野十三
ておいた記事を、君は消すつもりではあるまいね」 私は無言で、ペンを捨てた。私は
赤面した。 「黒馬博士。わしは、二度、君の希望に従い、協力した。もう一つ、わしは....
「もくねじ」より 著者:海野十三
まった。そこは所内の通路の上で、雨ふりの日のために、舗装道路になっていた。ぼくは
赤面した。もう何も考えまい。 ぼくは目をつぶって死んだようになっていた。が、最....
「火薬船」より 著者:海野十三
水夫竹見、そのまた後に、ノーマ号のあらくれ船員どもがずらりと、一くせ二くせもある
赤面が並んで、前へおしだしてくる。ノーマ号の甲板上に、今や乱闘の幕は切っておとさ....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
に入ってしまうのか。これこそ「小鬼が閻魔様と同資格で会見する」様なもので、聴けば
赤面の到りだ。「てめえ達は、首斬を見たことがあるめえ」と阿Qは言った。「ふん、見....
「余裕のことなど」より 著者:伊丹万作
古今調だ。 四郎型が二枚目にしたてられて主人公となる世界においては源太型は常に
赤面にしたてられて敵役となるのがきまりだ。中世以降、なかんずく徳川期におよんでそ....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
つきました。どんな意味でも、この場合の「おじさま。」は身に応えた。今度はこっちが
赤面して汗になった。 「魔法でもつかわないじゃ、そんな事は出来ません。」 その....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
た。 「あはッ、はッ、はッ、はッ、はッ。」 と笑ったものがある。この時、銅像が
赤面した。一朶の珊瑚島のごとく水平線上に浮いた夕日の雲が反射したのである。肩まで....
「鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
度十時半頃であった、)挨拶に来られたというは礼を尽した仕方で、誠に痛み入って窃に
赤面した。 早速社へ宛てて、今送った原稿の掲載中止を葉書で書き送ってその晩は寝....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
つつ、「あの女は先天的に堕落の要素を持ってる。僕は裁判をしてこっちが羞恥を感じて
赤面したが、女はシャアシャアしたもんで、平気でベラベラ白状した。職業的堕落婦人よ....
「魯迅さん」より 著者:内山完造
度に反対しながら、日本人の生活に対しては、とても高く買っておったのですネー。誠に
赤面の至りです。 魯迅さんの生活は全く原稿生活でしたが、あんまり思うことをズケ....