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「赦す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

赦すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
、どんなことでも肯いてあげる。しかし明君が世を治めている今の時代に、人殺しの罪を赦すなどということは出来るものでない。たとい私から哀訴したところで、上でお取りあ....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
その裁き方によほど困ったようでした。唯の意趣斬にするのも不便、さりとて仇討として赦すわけにも行かないので、一年あまりもそのまゝになっていましたが、安政四年の夏に....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
、考えてみると、もしそんなことをした日には、あの怖ろしいメフィストが、どうして容赦するものですか」 こうして、ついに法水との賭に、押鐘博士が勝った。しかし、内....
審判」より 著者:カフカフランツ
は言った。 「そうです」と、Kは言った。「レーニのためでした」 彼は、誰でも容赦するつもりはなかった。ところが弁護士はきいた。 「あれがまたしつっこいことをし....
奇巌城」より 著者:菊池寛
あなたのいうようにするなら、お父様を赦してくれますか。」 「それはいうまでもなく赦す、部下は君のお父さんをある田舎の町へ自動車で連れていくことになっているが、も....
三浦右衛門の最後」より 著者:菊池寛
て右衛門の肩にかけながら、 「命が惜しい。命ばかりは助けて下されといえ、いわずば赦すまいぞ」といった。右衛門は口惜し涙をぽろぽろとこぼした。若者はいかに若気てい....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
はけっして小さなことではない。それは地獄に当たる罪である。しかしその大罪を全的に赦すのである。阿部氏は「私は人を愛したい。けれど憎むに堪える心でありたい」といっ....
青春の息の痕」より 著者:倉田百三
様のみ心ならば魂のことにつきて人に語る説教師になりたいと思います。愛することや、赦すことや、忍ぶことや、祈ることについて私の同胞に語りたい。そしてその材料を学問....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
)に、「白妙の袖の別は惜しけども思ひ乱れて赦しつるかも」というのがある。この、「赦す」は稍趣が違うが、つまりは同じことに帰着するのである。 ....
宝島」より 著者:佐々木直次郎
一発喰らわしてやりたかった。」と彼が答えた。 「トム、」と大地主が言った。「私を赦すと言ってくれないか?」 「そんな勿体ねえことが、わっしからあんたさまに言えま....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
やら向う傷が夜鳴きして参ったようじゃわい。案内召されよ」 事ここに至らばもう容赦するところはない。篠崎流軍学の必要もない。院代玄長にかかる横道不埒のかくされた....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
云う事は殿様も聴くだ、御家来に失策が有っても、渡邊さんや秋月さんが取做すと殿様も赦すだ、秋月さんは槍奉行を勤めているが、成程|剛そうだ、身丈が高くってよ」 と....
業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
う御勘弁下され文治郎誠に有難く心得ます」 母「赦し難いやつなれども御両人に免じて赦すから此方へ来なさい、仕置を申付けるから」 文「どの様なるお仕置でも遊ばして....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
あの兼吉に二俵、道之助に七斗、半四郎に五俵二斗――都合、三口合わせて三石七斗は容赦すると言っているんですよ。」 金兵衛の挨拶だ。 半蔵はこの人の言うことばか....
白髪小僧」より 著者:杉山萠円
い遊ばして、あるにあられぬ奇妙な事ばかり仰せられるとの事。それで私の今までの罪を赦すから、直ぐに女王の病気を見に来るようにとの、有り難い御言葉を承りまして、取る....