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「赧顔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

赧顔の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
罌粟の中」より 著者:横光利一
ているとき、ノックの音がした。梶はホテルの者だろうと思って黙っていると、肥満した赧顔の男が一人勝手に這入って来た。片手に自分の帽子を持ってにこにこしながら傍まで....
青年」より 著者:森鴎外
の色の蒼い五分刈頭の男がすわっていて、勝手に続いているらしい三尺の口に立っている赧顔の大女と話をしている。女は襷がけで、裾をまくって、膝の少し下まである、鼠色に....
放浪の宿」より 著者:里村欣三
どう捜し求めて来たのか『カルバス』の行商をやっていたが、その売り上げの全部はこの赧顔の強慾な酒場ではたいてしまうのだった。 また彼はどこかで、いつ習い覚えて来....
剣侠」より 著者:国枝史郎
を乗り廻し追い廻し、飼養している無数の人、そうしてあたかも酒顛童子のような、長髪赧顔の怪異の老人――等々々のそれであった。 しかし彼女はそういう所が、どこにあ....
日記」より 著者:宮本百合子
よめいて居る。 説教が始り、少し四辺が静になる。黒い衣をたくしあげ、白い着物に赧顔を光らせた四十五六の髪の薄い凡下な骨相の男が、一寸頭を左に曲げ、言葉と言葉と....
日記」より 著者:宮本百合子
き、石本夫人とともに一時頃市庁の後藤氏に会う。自分の想像では、どちらかと云うと、赧顔の、強い、明快な平民的な男だろうと思って居た。が、入って来た蒼白い、力のない....