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赫
「赫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
赫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
た。その為に何度も信輔を「お前は女か?」と嘲笑《ちょうしょう》した。信輔は或時|
赫《かっ》とした拍子に、「先生は男ですか?」と反問した。教師は勿論彼の不遜《ふそ....
「春」より 著者:芥川竜之介
をひそかに「猿《さる》」と諢名《あだな》していた。彼は実際顔の赤い、妙に目ばかり
赫《かがや》かせた、――つまり猿じみた青年だった。のみならず身なりも貧しかった。....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
衣襲《ひとえがさね》に薄色の袿《うちぎ》を召した御姫様の清らかさは、おさおさあの
赫夜姫《かぐやひめ》にも御劣りになりはしますまい。
その内に御酒機嫌《ごしゅき....
「桃太郎」より 著者:芥川竜之介
をすることさえ忘れたのか、黙々と、しかし嬉しそうに茶碗《ちゃわん》ほどの目の玉を
赫《かがや》かせながら。……
六
人間の知らない山の奥に雲霧《くもきり》を....
「寒さ」より 著者:芥川竜之介
」
小僧は早口にこう云った。兎の皮の耳袋《みみぶくろ》をした顔も妙に生き生きと
赫《かがや》いていた。
「誰が轢かれたんだい?」
「踏切り番です。学校の生徒の轢....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
問われると、昂然《こうぜん》と浅黒い顔を起した。その目にはまた前にあった、不敵な
赫《かがや》きも宿っている。
「それは打ち果さずには置かれませぬ。三右衛門は御家....
「少年」より 著者:芥川竜之介
した葭簾張《よしずば》りの茶屋の手すりにいつまでも海を眺めつづけた。海は白じろと
赫《かがや》いた帆かけ船を何艘《なんそう》も浮かべている。長い煙を空へ引いた二本....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
りましたり、汝が勝手に嫁にすると申して、人の娘の体格検査を望みましたり、」 と
赫となって、この時やや血の色が眉宇に浮んだ。 「女学校の教師をして、媒妁をいたし....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
。」と女房は土間を横歩行き。左側の畳に据えた火鉢の中を、邪険に火箸で掻い掘って、
赫と赤くなった処を、床几の門附へずいと寄せ、 「さあ、まあ、お当りなさりまし。」....
「海の使者」より 著者:泉鏡花
りの切れ目の真中。橋と正面に向き合う処に、くるくると渦を巻いて、坊主め、色も濃く
赫と赤らんで見えるまで、躍り上がる勢いで、むくむく浮き上がった。 ああ、人間に....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
ね。」 と二人は顔を見合せた。 が、註文通り、火鉢に湯沸が天上して来た、火も
赫と――この火鉢と湯沸が、前に言った正札つきなる真新しいのである。酒も銚子だけを....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
きがあり、その両手も力なく垂れ、突撃的なる暗黒と向う見ずに戦っているうちに、その
赫々たる両眼は何物も見えなくなったのである。 「ラザルス。お前はわしの命を奪った....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
群湧いた、入道雲の頂へ、海ある空へ真黒にすくと立つと、太陽を横に並木の正面、根を
赫と赤く焼いた。 「火事――」と道の中へ衝と出た、人の飛ぶ足より疾く、黒煙は幅を....
「活人形」より 著者:泉鏡花
という顔色の尋常ならぬに得右衛門は打笑い、「其方もいけ年を仕ってやくな。といえば
赫となり、「気楽な事をおっしゃいますな。お前様見たような人を怪我にも妬く奴がある....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
国が偉いのではない。国が広いためである。ナポレオンは決戦戦争の名手で数回の戦争に
赫々たる戦果を挙げ全欧州大陸を風靡したが、海を隔てたしかも僅か三十里のドーバー海....