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「赫怒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

赫怒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十二支考」より 著者:南方熊楠
ネロ帝の后にして権謀に富み、淫虐甚だしきも当時無双の美人たり。何かのはずみに帝|赫怒《かくど》して蹴り所が悪くて暴崩した。帝これを神と崇め祀《まつ》らせ、古今未....
死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
此方へ……」と、麾いた。 女が泳げると見て向河岸の悪僧は、頭から湯気の立つ程|赫怒して、 「やい、女、新堀割の人喰い藻を知らねえか。此所へ落ちたらそれ限りだ。....
小知恵にとらわれた現代の法律学」より 著者:末弘厳太郎
し理知のみにもとづいてすることが多いか、それともあるいは憤慨してみたり、あるいは赫怒してみたり、あるいは美術を見、音楽を聞いて非常に感心してみたり、なにかわから....
」より 著者:神西清
」 妻のにわかの逆鱗は、私に自分たちの夫婦生活を思い出させた。以前にはこうした赫怒のあとでは、お互いに打ち克ちがたい牽引を感じるのが常で、どっちからともなくい....
三国志」より 著者:吉川英治
ない者はなかった。 賊将の趙弘は、 「ふがいなし、彼奴、何ほどのことやあらん」赫怒して孫堅に名のりかけ、烈戦二十余合、火をとばしたが、孫堅はあくまでつかれた色....
三国志」より 著者:吉川英治
―と寄ってのぞきこんだ。 その刹那、老人の体のなかにもあった若い血は、とたんに赫怒となって、 「不義者めッ」と、突如な大声が、董承の口を割ってでた。 男女は....
三国志」より 著者:吉川英治
におき羽将軍のことばを落着いて聞くがいい」と傍らから呶鳴った。 張飛は、よけい赫怒して、 「さては、汝ら一つになって、われらを生捕らんものと、曹操の命をおびて....
三国志」より 著者:吉川英治
ば、この荊州の滅乱はまぬかれません!」と、はばかる色もなく直言した。 蔡瑁は、赫怒して、 「みだりに舌をうごかして、故君のご遺言を辱め、部内の人心を攪乱する賊....
三国志」より 著者:吉川英治
ているのであるか。 文辞は無礼を極め、甚だしく呉侯を辱めたものだった。孫権は、赫怒して、 「よしっ、その分ならば、わが真面目を見せてくれよう」 と、翌早朝に....
三国志」より 著者:吉川英治
止なり。放浪の痩狗」 厳顔は、使いの耳と鼻を切って、城外へつまみ出した。張飛が赫怒したことはいうまでもない。 「みろ。きょうの中にも、巴城を瓦礫と灰にしてみせ....
三国志」より 著者:吉川英治
てのほかのことだ。もし事実とすれば、李厳たりとも、免してはおかれない」 孔明は赫怒した。 このため、彼は成都へ還って、厳密な調査を府員へ命じた。李厳の弄策は....
私本太平記」より 著者:吉川英治
。乱心でもない。しかも語気は、おとといの晩よりすさまじい。 時親は、かあっと、赫怒を、肩の息にあらわしてきた。 「下郎っ」 はったと、にらんで。 「わかった....
私本太平記」より 著者:吉川英治
」と台下の命を仰ぐのだった。 「上げるな」 高時は言って立った。 誰もが、ご赫怒と見て、はっとしたらしいが、高時は階を下りて、大庭に立っていた。そして、 「....
私本太平記」より 著者:吉川英治
のことだったのだ。 おそらく彼は、この変を知ると同時に「――高家一族の浮沈」と赫怒して、すぐにも戦場を去ってここへ駈けつけようとしたのではなかったか。 けれ....
随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
が、事実がこの口碑のままかどうか。 有馬喜兵衛ともある士が、小児の悪戯ぐらいに赫怒して、これとムキになって闘ったとなると、こいつは兵法家として成っていない男だ....