赭ら顔[語句情報] » 赭ら顔

「赭ら顔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

赭ら顔の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
私の潔白はそれで証明されるでしょう」 すると後から女大臣アサリ女史が憎々しげな赭ら顔を出して、 「博士、それはまことにお気の毒ですがネ、テレビ放送にはお二人の....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
のすがたは見えなかった。 「お冬はどうした」と、十右衛門は障子を細目にあけると、赭ら顔は一度にこっちを振り向いて、お冬はゆうべから気分が悪いというので、おかみさ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
るでねえか」 半七は表から覗いてみると、今しきりに呶鳴っているのは、三十五六の赭ら顔の大男で、その風俗はここらの馬子と一と目で知られた。その相手になって何か云....
深夜の市長」より 著者:海野十三
ながら徐々に逆行してきた。その車窓からは、立派な河獺の襟のついたインバネスを着た赭ら顔の肥満紳士がニコやかな笑顔を見せて、手招きをしていた。彼の運転手は車を停め....
電気風呂の怪死事件」より 著者:海野十三
べく其の場を去ると、赤羽主任は、向井湯の主人と女房を眼で呼び寄せた。 主人は、赭ら顔を全く恐怖で包んだまんま扉口の前列に立っていた。女房はというと、投げ出した....
恐しき通夜」より 著者:海野十三
「一体どうしたというんだろう。大変に遅いじゃないか」 眉を顰めて、吐きだすように云ったのは、赭ら顔の、でっぷり肥った川波船二大尉だった。窓の外は真暗で、陰鬱な冷気がヒシヒシ....
とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
註文しました。 成る程、その店の主人らしい、頸の太い、禿頭の先端の尖ンがった、赭ら顔の五十男が、恐ろしく憂鬱な表情をしながら、盛んに木の葉を乾かした奴を薬研で....
春昼」より 著者:泉鏡花
た! とばかり、やにわに対手の玉将を引掴むと、大きな口をへの字形に結んで見ていた赭ら顔で、脊高の、胸の大きい禅門が、鉄梃のような親指で、いきなり勝った方の鼻っ頭....
軍用鼠」より 著者:海野十三
鏡に写してみて、それで間違いはないであろうか。もしその鏡の底に、彼のテラテラした赭ら顔が写り出せばいいが、万一まかり違って、その鏡の底に顔一面毛むくじゃらの大き....
みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
、銀瓶は可いけれども。……次にまた浴衣に広袖をかさねて持って出た婦は、と見ると、赭ら顔で、太々とした乳母どんで、大縞のねんね子|半纏で四つぐらいな男の児を負った....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
流名誉の耆宿なのである。 「おお、父上、こんな処に。」 「お町か、何だ。」 と赭ら顔の家主が云った。 小春の雲の、あの青鳶も、この人のために方角を替えよ。姿....
茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
しい人で、ひどく権高な、その癖|婦のように、口を利くのが優しかった。……細君は、赭ら顔、横ぶとりの肩の広い大円髷。眦が下って、脂ぎった頬へ、こう……いつでもばら....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
パリでルブラン夫人の描いた二つの肖像画の額が懸かっていたが、一枚はどっしりとした赭ら顔の四十ぐらいの男で、派手な緑色の礼服の胸に勲章を一つ下げていた。他の一枚は....
母と娘」より 著者:岡本かの子
家が立ち並んで居る。それ等の家の内で No.1 の奥さんはスルイヤと言って赤毛で赭ら顔で、小肥りの勝気な女。彼女に二年前に女学校を卒業したアグネスと言う十九歳の....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
りとソファに身体を弾ねかえらして、薄い口髭をちょいとひねった。円いはじきれそうな赭ら顔のすこしく釣った眼尻を仔細らしく細めると、両腕をテエブルに、そして肩を怒ら....