赭顔[語句情報] » 赭顔

「赭顔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

赭顔の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
悟浄歎異」より 著者:中島敦
ない。それははじめてこの猿《さる》を見た瞬間にすぐ感じ取られたことである。初め、赭顔《あからがお》・鬚面《ひげづら》のその容貌《ようぼう》を醜いと感じた俺《おれ....
オリンポスの果実」より 著者:田中英光
《こうしんし》です。背が高く口髭《くちひげ》を蓄《たくわ》え、膏《あぶら》ぎった赭顔《あからがお》をしていました。 ぼくは頭のなかが熱くなり、嘘《うそ》だ嘘だ....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
乗船した。そして前甲板の喫煙所で団長ワーナー博士に二人を紹介した。 博士は白髪赭顔の静かな人物だった。 「おおドレゴ君。ゼムリヤ号事件の発見者たる名誉に輝くド....
振動魔」より 著者:海野十三
平和そうに見えた。室内にレコードを掛けて、柿丘と雪子とが相抱いて踊りはじめると、赭顔の博士は、柿丘夫人呉子さんを援けておこして、鮮かなステップを踏むのだった。 ....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
ように乱れ、顔の色は赭黒かった。しかしなによりも一郎の魂を奪ったものは、その男の赭顔の半面にチラと見えた恐ろしく大きな痣であった。 「待て――」 一郎は相手を....
三狂人」より 著者:大阪圭吉
てくれた。 「ひどいことをやったもんですね」 もうどこからか聞込んだと見えて、赭顔の人の好さそうな松永博士はそう云って主任へ椅子をすすめた。 「実はそのことで....
碧玉の環飾」より 著者:田中貢太郎
ら永のお別れをします」 と言って、着ていた着物を引裂いて投げ出したのを見ると、赭顔円目の一大老猿であった。それを見た皆が驚いているうちに、老猿は庭前の大木の上....
すり替え怪画」より 著者:海野十三
、一人の探偵が、伯爵のわび住居に現われた。猫背で、長いオーバーを引摺るように着、赭顔に大きな黒眼鏡をかけた肥満漢であった。姓名は、そのさしだした名刺によると、「....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
。 飛行島の大秘密 ここ建設工事中の飛行島の最上甲板であった。 白髪|赭顔の、飛行島建設団長リット少将と、もう一人、涼しそうなヘルメット帽をかぶって白....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
これ。)が、これなのである。 「何ぞ、老人に用の儀でも。」 と慇懃に会釈する。赭顔は、でっぷりとした頬を張って、 「いやさ、用とはこっちから云う事じゃろうが、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ました。 「そうら見ろ」 仏頂寺弥助は、勇仙からつきつけられた色縮緬の胴巻に、赭顔《しゃがん》を火のように映《は》えらせて、 「こりゃ只者でござらぬ」 まさ....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
、象の置物、色琺瑯製の象の吊垂灯――そして、ちょん髷の人力車夫と、ヘルメット帽の赭顔いぎりす紳士と。 靴をはいてるのが欧羅巴人で、跣足で歩いてるのが印度人。天....
条件反射」より 著者:豊島与志雄
はどういう顔をするであろうか。 議会 柔道三段の腕前を持っていて、赭顔肥大、而も平素は温厚な好々爺である、某代議士が云う。「議会というものは、そん....
春昼後刻」より 著者:泉鏡花
え。治るもんなら治ったら可かろう。何んだって愚図ついて、煩っているんだ。) と赭顔なのが白い歯を剥き出していうようです。はあ、そんな心持がしましたの。 (おお....
仲々死なぬ彼奴」より 著者:海野十三
だけは霜のように真白になっては居るが、肉付は年増女房を思わせるほど豊満で、いつも赭顔をテラテラさせているという、怖るべき精力老人であった。 財産は五億円だとも....