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「走り込む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

走り込むの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
奈々子」より 著者:伊藤左千夫
んちゃん、かちあるかい、かち、奈子《なこ》ちゃんがかちだって」 続いて奈々子が走り込む。 「おっちゃんあっこ、おっちゃんあっこ、はんぶんはんぶん」 といいつ....
爆弾太平記」より 著者:夢野久作
て、片っ方から順々に大釘で止めて行く……最後に残った一尺四方ばかりの穴から猛烈に走り込む水を、針金に押し当てがった帆布で巧みにアシライながら遮り止めてしまった。....
遺書に就て」より 著者:渡辺温
しまう。女は相手が倒れたのを見て恐ろしさのあまりピストルを投げ棄てて葛飾の部屋へ走り込む。葛飾は自分故に愛しい女が殺人の罪を犯したものと信じて、犯跡を紛らすため....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
人影が、足音も立てずに走って行く。間もなくこんもりとした森へ出た。頼正は森の中へ走り込む。で、運八も走り込み、やがてその森を抜けた時には、頼正の姿は見えなかった....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ば、お雪ちゃんは一時、その場で昏倒してしまったかも知れません。また、もし船の中へ走り込む元気があったならば、いきなり、竜之助の膝にしがみついて、うらみつらみを並....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
飛ばしたのか、馬が驚いてはやり出したのか、まっしぐらに大御所を乗せて戦争の渦中へ走り込むのを見ました。 「あ、危ない!」 当年の大御所の指を噛んだという一節を....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
発見した。 はるばるも帰り来しものかな――やがて亜細亜のメトロポリスへ、汽車は走り込むのだ。半球の旅のおわりと、空を焦す広告塔の灯とが私達を待っているであろう。....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
いる。 三頭立ての馬が「とうとう死んだ」牛の屍骸――マイナス耳――を引きずって走り込む。 砂けむり。 牛の耳の乾物――私は西班牙まで来て、今日はじめて「牛耳を取る」という意味が解った。....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
》を下げて、行列の崩れたのを後ろに、今度は群衆の足許を潜《くぐ》って元のところへ走り込むと、その梯子《はしご》を横にして肩にかけ、銭受けの笊《ざる》を腰に差し、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
太刀《たち》は佩《は》き、中啓様《ちゅうけいよう》のものを手に持って、この道場へ走り込むと、さしもの猛者《もさ》どもの中を挨拶もなく、ずしずしと押通り、兵馬の稽....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
どにかえって、困難なことでありました。そこで、お松としては、あのすさまじい現場へ走り込むことを遮《さえぎ》られたのみか、その現場を見届けることをさえ抑えられてし....
魔都」より 著者:久生十蘭
他聞を恥じるどの被告もするように、襟巻で面を包み帽子の前鍔を鼻の上まで引き下げ、走り込むように自動車に乗り、その儘の姿で帝国ホテルの車寄せに降りた。部屋に入って....
螽蟖の記」より 著者:室生犀星
う。鈍感なようで却々りこうだ。要心の深い奴は物音がすると、叮嚀にくさむらの奥まで走り込むほど臆病なのもいる。羽根は鳴くだけの役目で滅多にたってゆくことがない。 ....