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起き臥し
「起き臥し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
起き臥しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
、寡《すく》なくとも、海に山に五百年の怪物たるを看破したりけれども、見世物小屋に
起き臥しせる乞食芸人の徒ならんとは、実に意表に出でたりしなり。とはいえども渠はさ....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
て言った。「そなたと仲好しであった藻は、関白殿の屋形へ召されて行った。わしもまだ
起き臥しも自由でない身の上で、介抱の娘を手放してはいささか難儀じゃと思うたが、第....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
ヶ月ほどだけだった。湖畔の学生生活が空気のように身について来ると、習慣的な朝夕の
起き臥しの間に、しんしんとして、寂しいもの、惜しまれるもの、痛むものが心臓を掴み....
「修禅寺物語」より 著者:岡本綺堂
って奥に入る。) 夜叉王 のう、春彦。妹とは違うて気がさの姉じゃ。同じ屋根の下に
起き臥しすれば、一年三百六十日、面白からぬ日も多かろうが、何事もわしに免じて料簡....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
いうものは、まことに微妙なものです。 仇敵《かたき》同士でも、ひとつ屋根の下に
起き臥ししていれば、いつしかそこに、情がわく。ことに不具の者ほど、そういった人な....
「死者の書」より 著者:折口信夫
ある。家に居ては、男を寄せず、耳に男の声も聞かず、男の目を避けて、仄暗い女部屋に
起き臥ししている人である。世間の事は、何一つ聞き知りも、見知りもせぬように、おう....
「かげろうの日記」より 著者:堀辰雄
小憎らしさ。 それからまだ二た月とは立たないうちに、私はいつのまにやら只一人で
起き臥しする事の多いような身の上になりながら、姉の方へばかり絶えずいまひと方が出....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
が誤解であったと源十郎に対する心もちもなおり、以前のとおり庭内の離庵《はなれ》に
起き臥しすることになったが。
自ら訴えておいて後から左膳を救い出し、それを恩に....
「絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
住んでいるのは、本屋とは回廊で連なっている離れであって、その薄暗い二階に、好んで
起き臥しているのだった。その室は、光琳風の襖絵のある十畳間で、左手の南向きだけが....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
心深き叔母上」なのだ。そして叔父は特別な性格者であった。五年間、私はこの宗藤家に
起き臥しした。これが私の現実修行の第一歩であった。 そのころの私と言えば、赤い....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
殿は武勇一遍の人じゃと思うていたに、息女に対する日ごろの仕付け方も思いやらるる。
起き臥しわぶる恋ぞくるしき――さすがにようぞ説き当てられた。」 当代の歌人、日....
「松園女史の思い出」より 著者:金子薫園
「蓮月尼の『岡崎の里のねざめにきこゆなり北白川の山ほととぎす』が私は好きで、その
起き臥した跡を尋ねたいと思いながら、今度は果しませんでした。私は尼の手づくりの花....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
な天界に、異な人間のにおいと、噴っ切れた万鬱の香気とを放っていた。 子等之館に
起き臥ししている妙齢の巫女たちは、もちろんみな清女であった。幼いのは十三、四歳か....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
店屋とちがい、家は、土間暖簾のうちも冷んやりとうす暗く、柳斎はつねに、裏二階に、
起き臥ししていた。 部屋には、仕事用の長板やら、錣の糸掛け、草摺掛けなどを置き....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
の。……後宮は火宅とか、そなたは言ったが」 「ええ……」 「武家は常住、剣の中の
起き臥しだ。世の定まらぬうちは安心ということはない。いつもどこかに敵を持つ。その....