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起す
「起す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
起すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
とば》を聞いたのが、不思議なのである。
「観音様がそう言ったか。勉強しろ。癇癪を
起すな。そうしてもっとよく辛抱しろ。」
六十何歳かの老芸術家は、涙の中に笑いな....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
や一向同情は出来ない。廃刀令《はいとうれい》が出たからと云って、一揆《いっき》を
起すような連中は、自滅する方が当然だと思っている。』と、至極冷淡な返事をしますと....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
あげ始めたそうです。
それがおよそ十分あまりも続いてから、祖母は静に孫娘を抱き
起すと、怖がるのを頻《しき》りになだめなだめ、自分の隣に坐らせました。そうして今....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
先生につらかったか、――現に自分ですら今日《きょう》その刻薄《こくはく》な響を想
起すると、思わず耳を蔽《おお》いたくなる事は一再《いっさい》でない。
それでも....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
之丞もお松にはよほど夢中になっていたのでしょう。何しろお松は癇癪《かんしゃく》を
起すと、半之丞の胸《むな》ぐらをとって引きずり倒し、麦酒罎《ビールびん》で擲《な....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
い汽笛の音と、石炭船の鳶色《とびいろ》の三角帆と、――すべてやみがたい哀愁をよび
起すこれらの川のながめは、いかに自分の幼い心を、その岸に立つ楊柳《ようりゅう》の....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
上って来る音がみしりみしり聞え出した。急に不安になった彼は半ば床《とこ》から身を
起すと、
「誰?」と上り口へ声をかけた。
「起きていたのか?」
声の持ち主は賢....
「路上」より 著者:芥川竜之介
ピエル。」
今まで俊助の足下《あしもと》に寝ころんでいた黒犬は、この時急に身を
起すと、階段の上り口を睨《にら》みながら、凄《すさま》じい声で唸《うな》り出した....
「白」より 著者:芥川竜之介
う。なお宮城動物園主は狼の銃殺を不当とし、小田原署長を相手どった告訴《こくそ》を
起すといきまいている。等《とう》、等、等。
五
ある秋の真夜中です。体も心....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
れて、今までついていた片膝を少しずつ擡《もた》げ出したからであった。岩は彼が身を
起すと共に、一寸ずつ、一分《いちぶ》ずつ、じりじり砂を離れて行った。そうして再び....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
た。
「すると康頼《やすより》は怒《おこ》ったぞ。ああ云う大嗔恚《だいしんい》を
起すようでは、現世利益《げんぜりやく》はともかくも、後生往生《ごしょうおうじょう....
「樗牛の事」より 著者:芥川竜之介
《こんにち》に至っても、二度とあのきのどくな墓に詣でようという気は樗牛に対しても
起す勇気がない。
しかし怪しげな、国家主義の連中が、彼らの崇拝する日蓮上人《に....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
僕はふと十四五年以来、いつも親和力を感じる度に僕の目も彼の目のように結膜炎を
起すのを思い出した。が、何とも言わなかった。彼は僕の肩を叩き、僕等の友だちのこと....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
フを振り上げました。もう一分間遅れても、妙子の命はなくなります。遠藤は咄嗟に身を
起すと、錠のかかった入口の戸を無理無体に明けようとしました。が、戸は容易に破れま....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
で、上流の紳士に科学の興味があるのは喜ばしいことではあるが、昔のファラデーを想い
起すというような小僧や書生の来ておらないのには。会員は多いようである。会員外の人....