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起り
「起り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
起りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
でございましょうか? しかし御吟味《ごぎんみ》も受けたとすれば、そう云う間違いは
起りますまい。それとも阿媽港甚内というのは、倅だったのでございましょうか? わた....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
が不思議な事には、それと同時に、雲で埋《うず》まっている谷底から、一陣の風がまき
起りますと、その風の中に何かいて、
「髪長彦さん。難有《ありがと》う。この御恩は....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
たのが、可笑《おかし》かったのでございましょう。女房たちの間には、忍び笑いの声が
起りましたが、侍が続いて、
「みどりの糸をくりおきて夏へて秋は機織《はたお》りぞ....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
?」
お蓮は男の年を答えた。
「ははあ、まだ御若いな、御若い内はとかく間違いが
起りたがる。手前《てまえ》のような老爺《おやじ》になっては、――」
玄象道人は....
「日光小品」より 著者:芥川竜之介
って響くそうだ。なにものの声かはしらない。ただ、この原も日がくれから、そんな声が
起りそうに思われる。
こんなことを考えながら半里もある野路を飽かずにあるいた。....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
八丁堀《みなみはっちょうぼり》の湊町《みなとちょう》辺にあった話です。何でも事の
起りは、あの界隈《かいわい》の米屋の亭主が、風呂屋で、隣同志の紺屋の職人と喧嘩を....
「蜃気楼」より 著者:芥川竜之介
《ひきじがわ》の橋を渡り、東家《あずまや》の土手の外を歩いて行った。松は皆いつか
起り出した風にこうこうと梢《こずえ》を鳴らしていた。そこへ背の低い男が一人、足早....
「白」より 著者:芥川竜之介
の時の悲しさを考えると、――白は今では帰って来たことを後悔《こうかい》する気さえ
起りました。するとその途端《とたん》です。坊ちゃんは突然飛び上ると、大声にこう叫....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
買った事がある男に違いなかった。
彼は彼等の姿を見ると、咄嗟《とっさ》に何事か
起りそうな、忌《いま》わしい予感に襲われた。しかしここへ来かかった以上、元《もと....
「少年」より 著者:芥川竜之介
自然《ちょうしぜん》の霊が彼の目に姿を現わしたのであろうか? あるいはまた少年に
起り易い幻覚《げんかく》の一種に過ぎなかったのであろうか? それは勿論彼自身にも....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
じ言葉に髯《ひげ》の長い西洋人を髣髴している。これはひとり神に限らず、何ごとにも
起り得るものと思わなければならぬ。
又
わたしはいつか東洲斎写楽《と....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
ました。閣下、妻のようにヒステリカルな素質のある女には、殊にこう云う奇怪な現象が
起り易いのでございます。その例もやはり、記録に乏しくはございません。例えば著名な....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
まにして置けば、独り「家」が亡びるだけではない。「主」自身にも凶事《きょうじ》が
起りそうである。利害の打算から云えば、林右衛門のとった策は、唯一《ゆいいつ》の、....
「三つの窓」より 著者:芥川竜之介
何だ、これは? ……『昨日のことは夫の罪にては無之、皆浅はかなるわたくしの心より
起りしこと故、何とぞ不悪御ゆるし下され度候。……なおまた御志のほどは後のちまでも....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
は、もしくは我が疑われたる投身の人か、我未ださる者を救いたる事なし、面白き事こそ
起りたれと折しもかかる叢雲に月の光りのうすれたるを幸い、足音を忍びて近づきて見れ....