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起る
「起る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
起るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「春」より 著者:芥川竜之介
をぶらぶら一人《ひとり》歩いていた。広子は彼の姿を見た時、咄嗟《とっさ》に敵意の
起るのを感じた。しかしそれは掛け値なしにほんの咄嗟の出来事だった。彼はもうその時....
「文放古」より 著者:芥川竜之介
んですもの。ほんとうに惘《あき》れ返ってものも云われないわ。
「こう云う結婚難の
起るにつけても、しみじみあたしの考えることは日本の小説家の無力さ加減だわね。教育....
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
隊をのせたりした船が、橋の下を通ると、橋の上では「わあっ」と云う哂《わら》い声が
起る。中には「莫迦《ばか》」と云う声も聞える。
橋の上から見ると、川は亜鉛板《....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
ようとした。が、足も動かなかった。彼はただ大光明のために、烈しく眩暈《めまい》が
起るのを感じた。そうしてその光の中に、大勢《おおぜい》の男女の歓喜する声が、澎湃....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
したことはなかった。彼は敷島《しきしま》をふかしながら、当然僕等の間《あいだ》に
起る愛蘭土《アイルランド》の作家たちの話をしていた。
「I detest Ber....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
も、不遇の音楽家が飛びこんで来たり、どこかの奥さんが自殺したり、いろいろな事件が
起るのですが、――御待ちなさいよ。事によると机の抽斗《ひきだし》に、まだ何か発表....
「水の三日」より 著者:芥川竜之介
の講談「かちかち甚兵衛《じんべえ》」がはじまった。にぎやかな笑い顔が、そこここに
起る。こんな笑い声もこれらの人々には幾日ぶりかで、口に上ったのであろう。学校の慰....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
勇ましい弦《ゆんづる》の鳴る音が風のように起ったり止んだりした。そうしてその音の
起る度に、矢は無数の蝗《いなご》のごとく、日の光に羽根を光らせながら、折から空に....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
にも、敵状を知りたがる軍人にも、或は又財況を知りたがる実業家にも同じようにきっと
起るのである。わたしはこれを修正すべき理智の存在を否みはしない。同時に又百般の人....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
を譲って、それで妻の二重人格が説明出来るにしても、私のそれは出来ないと云う疑問が
起るかも知れません。しかしこれ等は、決して解釈に苦むほど困難な問題ではございませ....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
《まった》く時の運であろう。
そう云えば、細川家には、この凶変《きょうへん》の
起る前兆が、後《のち》になって考えれば、幾つもあった。――第一に、その年三月中旬....
「魚河岸」より 著者:芥川竜之介
の小説は死んではいない。少くとも東京の魚河岸には、未《いまだ》にあの通りの事件も
起るのである。
しかし洋食屋の外《そと》へ出た時、保吉の心は沈んでいた。保吉は....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
(それは或|独逸人の集めた精神病者の画集だった)僕はいつか憂鬱の中に反抗的精神の
起るのを感じ、やぶれかぶれになった賭博狂のようにいろいろの本を開いて行った。が、....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
と枝を鳴らしているばかりなのです。杜子春はほっと一息しながら、今度はどんなことが
起るかと、心待ちに待っていました。 すると一陣の風が吹き起って、墨のような黒雲....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
妹にも手紙を送り、また王立協会の前途を案じてはアボットに手紙を送り、「もし事変の
起るようなことでもあったら、そこに置いてある自分の書籍を忘れずに取り出してくれ。....