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起工
「起工〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
起工の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「日本山岳景の特色」より 著者:小島烏水
錐形に盛りあがるものであるから、山岳は穹窿《ドーム》形の高塔を築き上げて、人類の
起工した大伽藍の荘厳を憶い起させる、穂高岳、霞沢岳、笠ヶ岳、蓮華岳、常念岳、大天....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
技師クロード・ディグスビイを派遣して、既記の地に本邦|未曾有とも云う大西洋建築を
起工せり。と云うは一つに、彼地にて娶りし仏蘭西ブザンソンの人、テレーズ・シニヨレ....
「わが町」より 著者:織田作之助
起って、谷底の岩の上へ家守のようにたたき潰された。風土病の危険はもちろんである。
起工後足掛け三年目の明治三十五年の七月に、七十万ドルの予算をすっかり使い果してな....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
、支線として早く完成せられた東京横浜間を除いては、神戸京都間、それに前年ようやく
起工の緒についた京都|大津間を数えるに過ぎなかった。ホルサムはこの閑散な時を利用....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
を去った。 明治二十四年には保は新居を神田仲猿楽町五番地に卜して、七月十七日に
起工し、十月一日にこれを落した。脩は駿河国|駿東郡佐野駅の駅長助役に転じた。抽斎....
「海底都市」より 著者:海野十三
八十階で建坪《たてつぼ》一万一千平方キロメートルの坑道ががっちり出来たのが、実に
起工後十四日目なんです。それからこんどは、生活に必要な設備をしたり、町を美しく装....
「長崎の印象」より 著者:宮本百合子
建物だ。浦上の切支丹信徒が経験した受難の種々は世に知られている。この建物も、始め
起工した時から近年完成する迄には数十年を閲し、信徒の中には、自分の息子を大工、左....
「尹主事」より 著者:金史良
やすよ」するとそれをうけて阿彌陀聲がぼやく。 「うむ。今の所買占めて來月からでも
起工するとしようかね」 主事は地に片手を棹さし首を長くして二人を怪訝そうに見送....
「秦の出発」より 著者:豊島与志雄
める。農村は君には興味がないとしても、無錫の町それ自体は、中国殆んど唯一の自力興
起工業都市で、生糸や紡績や製粉の工場が軒を並べている。なにかしら清明で溌剌として....
「中庸」より 著者:坂口安吾
行って一時をしのぎ、目下どうやらバラックの教室もできあがって、あとは本建築の校舎
起工にとりかかる段取りである。ところが、この金策がつかない。村長になりたがる者が....
「吹雪のユンクフラウ」より 著者:野上豊一郎
っている。 此の登山電車は最近のものかと思ったら、一八九八年(明治三十一年)に
起工して一九一二年(同四十五年)に竣成している。設計者は、テューリヒのアドルフ・....
「国立国会図書館」より 著者:中井正一
ものから、工場機構《ファクトリー・システム》に各省も、図書館も変りつつある。その
起工の起点がわが国立国会図書館でなければならない。かくしてわが館は、一般人の公開....
「黒船前後」より 著者:服部之総
に大船を要求した。 テイラア号の難破に遅れることわずか四年、一八五八年に英国で
起工した長さ六百八十フィート、幅八十二フィート、一万八千九百十四トンという巨大船....
「明治の五十銭銀貨」より 著者:服部之総
少輔は七カ月間アメリカにわたる。その七カ月のあいだに新橋横浜間の「国鉄」第一線が
起工される。レーの世話で届いたイギリス製の機関車六台とレール等々は、中古品を含ん....
「わが町」より 著者:織田作之助
起って、谷底の岩の上へ家守のようにたたき潰された。風土病の危険はもちろんである。
起工後足掛け三年目の明治三十五年の七月に、七十万ドルの予算をすっかり使い果してな....