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「起稿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

起稿の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
新生」より 著者:島崎藤村
本は仕事を急いだ。あのノルマンディ生れの仏蘭西の作家が「聖アントワンヌの誘惑」を起稿したのは普仏戦争の最中で、巴里の籠城《ろうじょう》中に筆を執ったとやら。丁度....
近時政論考」より 著者:陸羯南
十四年五月 例言 一、本篇は昨明治二十三年八月九月の交において著者病中に起稿し、わが『日本』に漸次掲載せしところのものを一括せしに過ぎず。著者講究の粗漏....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
け前」第一部――終 改版『夜明け前』第一部の後に この作、昭和四年に起稿し、同六年に第一部を書き終わったものであるが、なにしろ作の内容が過去の時代を....
ドイルを宗とす」より 著者:甲賀三郎
服した。この一事こそ探偵小説の精髄であり、卑しくも探偵作家を以って任ずるものの、起稿第一に考えなければならない事だと思う。 (昭和十二年、〈新青年〉特別増刊探偵小説傑作集に発表)....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
、『八犬伝』の旧蹟は準史蹟として見てもイイかも知れない。 (『八犬伝』の地理学は起稿当初の腹案であったが、実地を踏査しなければ解らぬ個処が存外多いのですべて他日....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
しゃぶらせる飴は、塩冶の妻の文よりほかはない。こう考えて、かれは兼好にその艶書の起稿をひそかに頼みに来たのであるが、相手の法師は更に其の上手を越して、それがため....
武士を夷ということの考」より 著者:喜田貞吉
なりとす。しかしてその内容、本編と相関するところきわめて多きがゆえに、余輩が本編起稿当初の腹案にては、詳細これに論及して、もって武士を夷ということの具体的証明を....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
の川上音二郎が中村座で「平野次郎」を上演するについて、桜痴居士のところへその脚本起稿を頼みに来た。居士は当時多忙でもあり、かつは書生芝居なるものに対して余りいい....
一日一筆」より 著者:岡本綺堂
私は高輪の海岸に立って、灰色の空と真黒の海を眺めた。明治座一月興行の二番目を目下起稿中で、その第三幕目に高輪海岸の場がある。今初めてお目にかかる景色でもないが、....
日和下駄」より 著者:永井荷風
いじんどう》主人のもとめにより改竄《かいざん》して一巻とはなせしなり。ここにかく起稿の年月を明《あきらか》にしたるはこの書|板《はん》成りて世に出づる頃には、篇....
法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
だと、早速その席上で、「法隆寺再建非再建に関する審判判決書」と題する一篇の漫文を起稿して、斉東野人のペンネームを以て、翌四月の歴史地理誌上に掲げる事となし、別に....
濹東綺譚」より 著者:永井荷風
のである。今夜お雪が「三月《みつき》になるわねえ。」と言ったことから思合せると、起稿の日はそれよりも猶以前であった。草稿の末節は種田順平が貸間の暑さに或夜同宿の....
編輯雑感」より 著者:喜田貞吉
い。 自分の部落に関する研究はもとより本号の発表を以て尽きるものではない。既に起稿して筐底に蔵した原稿もあれば、将来ますます研究を重ねて発表してみたいものも甚....
特殊部落ということについて」より 著者:喜田貞吉
望するところであったから、早速筆を執って「特殊部落区別撤廃の要」と題する一小篇を起稿し、その論文はただちに客臘十一月発行の「日本魂」誌上に登載せられた。ところが....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
に一層其感が深い。 この記行は前中後の三回に分ち、『山岳』誌上に掲載する目的で起稿したものであった。しかし第三回分は強いて之を載せる必要がなくなったので、本項....