超す[語句情報] »
超す
「超す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
超すの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ゼーロン」より 著者:牧野信一
の脇腹目がけて突きとおした。ゼーロンは、歯をむき出していななくと、ハードルを跳び
超すみたいな駆け方でピョンピョンと波型に飛び出した。私は地をすって行く手綱を拾う....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
ながら、思い出し笑いをするのであった。 「何がこの世で面白いかと云って、盗人に上
超すものはねえ。これこそ立派な仕事だからな。他人の物を取るんだからな。いいかえ、....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
〇立米へらすことになり、金高にすると四円いくらのものが三円いくらであって、それを
超すと翌月はガスをとめることもあるということになりました。こんな小さい世帯でこれ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
たまま夢中になってしまって、飛行機なんか下りて半日は病人です。それが一定の時間を
超すと、そのまま死ぬのですって。閉口ねえ。ですから、船酔いのありそうなとき、良質....
「戦争論」より 著者:坂口安吾
り、私の如上の計算は、科学的方法によって為されたものではない。然し、空想の限界を
超す悪魔的エネルギーのもたらす被害と利益とその差如何、という如き、天文学的数字を....
「リズムの構造」より 著者:中井正一
にはすでに生理的呼吸を遠く超えて、生そのものを通路として、存在の本質にただちに横
超する気分としての本質理解が内在するといわなければならない。存在の理解の Wie....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
山丹花《サンダンカ》を見るようだ、そしてこの花満開の姿を望むと、植物界にはこれに
超すものは無かろうと感ずる。 花は小梗を具え、その梗頂、花に接して二片の葉状有....
「わが寄席青春録」より 著者:正岡容
と思ったことだった。両者ぐんぐんと売り出していくその人気は、のちの歌笑、痴楽を上
超すものがあった。 急逝して私を哭《な》かしめた四代目小さん君はその頃馬楽で、....
「三国志」より 著者:吉川英治
馬をかえし、軍を退いてしまった。 これを見ていた両軍の兵は、駭然として、 (馬
超すら恐れる許※というものはいったいどれほど強いのか) と、身の毛をよだてぬ者....
「三国志」より 著者:吉川英治
情と、張魯一族の野望とは、公がお考えになっているようなものではない。現に、この馬
超すら、彼らにあいそをつかし、楊柏を討って、劉玄徳に従ったほどです」とその経緯を....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
は、は」 なにがおかしいのか、いつまでも肩をゆすっているふうだった。おれの上を
超す同類が出てきたと思ったのだろうか。あるいは、時の湿地が咲かせる隠花植物や化け....