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超ゆ
「超ゆ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
超ゆの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
りが来た。市九郎の掘り穿った洞窟は、もはや五丈の深さに達していた。が、その三町を
超ゆる絶壁に比ぶれば、そこになお、亡羊《ぼうよう》の嘆があった。里人は市九郎の熱....
「野分」より 著者:夏目漱石
りである。一頁五十銭の割合になる。一頁五十銭を超《こ》ゆべからず、一ヵ月五十頁を
超ゆべからずと申し渡されてある。 これで今月はどうか、こうか食える。ほかからく....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
……号哭、起つ能わずとあるが道理千万……遂に思えらく、吾、一度天下のために倫常を
超ゆ。復、何をか顧んという破れかぶれの死に物狂いだ。そこいら界隈の村里へ出て、美....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
煙草 涙じめりで火がつかぬ 旅をして歩く時に興に乗じてうたう歌、危険な山坂を
超ゆる時、魔除《まよけ》を兼ねて歌いつけの歌、心なく歌っても離愁《りしゅう》の思....
「自然現象の予報」より 著者:寺田寅彦
体的に云えば地辷り等がある限界内に止まれば、それだけにて止むも、少しにてもこれを
超ゆれば他の弱点の破壊を誘起して更に大なる変動を起す事もあるべく、その際如何なる....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
を無意識の裡に成就する。 献身は非常の事態である。それを為すには飛躍を要する。
超ゆべきものを超えるには身を捨てて掛らねばならない。やがて塞がれた生命の流が疎通....
「思い」より 著者:伊丹万作
利害関係においてでなく、「国民としての良心の把持において」資本家と従業員の間には
超ゆべからざるみぞのあることを、我々ははつきり知らされたのである。すなわち、今度....
「地上」より 著者:島田清次郎
を内部に感じた。(何度もお会いしたような気がします)ああ、久し振りだったと、生を
超ゆる幽かな遠い心内から言うものがあった。 「大河……」と綾子は小さく呟いて、平....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
府で十月、十一月、十二月のこの三ヵ月に殺される羊、山羊、ヤクの類は実に五万以上に
超ゆるのでありますから、このくらいの事は何でもない事なんです。それからそこを立っ....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
いか。 もっとも、免許状には、ホワアドが無敵艦隊を撃滅したこと、すでに六十歳を
超ゆること、そして、彼の長年のすばらしい奉公に酬ゆるに伯爵を与えるのはもっとも当....
「汽船が太平洋を横断するまで」より 著者:服部之総
シナの茶とアメリカ人参《にんじん》の往返が太平洋を忌避し、太平洋が帆船にとっても
超ゆべからざる地表の大クレヴァスだったわけというのは―― 第一にアメリカ合衆国....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
た。 「由来、名門足利家の御血統が、北条氏より高く、へたをすれば、北条家の門地を
超ゆるものあるを恐れて、わざとお家を不遇な地方におき、それが代々御家運の衰微とな....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
の一線に至っては、但馬に追随し難いものがあった。 そこで、その一線を如何にして
超ゆべきやとの問いに対して、但馬は、剣禅一致の妙境に悟入し得て、初めて剣の奥義が....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
、これまた今の世のやむなき乱れというほかない。とはいえ互いにここの苦悩百難を乗り
超ゆるも、ゆくての乱定まって泰平に会う日の作業じゃ。……別離の一献を酌んで、明日....