超俗[語句情報] »
超俗
「超俗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
超俗の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「草枕」より 著者:夏目漱石
詩人は常の人よりも苦労性で、凡骨《ぼんこつ》の倍以上に神経が鋭敏なのかも知れん。
超俗の喜びもあろうが、無量の悲《かなしみ》も多かろう。そんならば詩人になるのも考....
「読書法」より 著者:戸坂潤
面から展開される。上高地に於て山の美を論じるにしても(田部重治氏式な無限・崇高・
超俗・等々の礼賛に不満な著者は、物質の力の大きさに山の美を見出す)、日本精神的マ....
「詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
獄に毒死されたのである。故にこの態度で言うならば、彼もまたプラトンと共に貴族的(
超俗衆的)の人物である。そしてもしこの意味なら、此処に「貴族的」と言う言葉は、耶....
「作家への新風」より 著者:宮本百合子
来ている。日本の作家のおくれている状態は市民精神に於ておくれたまま、文学は神聖な
超俗的な仕事であるという先入観に絡みとられている無力さに現われているとも考えられ....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
最初に触れた日常性の原理と呼ばれてよいものに帰着するのである。尤も世間では俗物も
超俗物も、日常性というものを、平均的な多数者である世間の俗物の、原則を失った生活....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
ものまでが、この外部から来る道徳的統制の支配を受けることになるのである。こうして
超俗的な俗物の帝国として、ブルジョア文壇やブルジョア・アカデミーなどが出来上るわ....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
て見せることになっている。と云うのは、政治家の方は俗物で、之に反して文学者の方が
超俗物的だという評価である。無論俗物というのは非難するか卑下してか、そう云うので....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
しか出なくて。さわがれるには智的すぎるという風な作品よ。スタンダールの態度は同じ
超俗であっても趣味のきびしさ出たらめぎらい甘さぎらいだったと思います。アナトール....
「文学以前」より 著者:豊島与志雄
い夢想に陥ってゆくのである。――斯かる夢想の本体はなかなか捉え難い。それはもはや
超俗の哲理である。 通俗には、亀について三様の見解があるようである。三様の寓話....
「戦後新人論」より 著者:坂口安吾
属するものであるかも知れない。 内村博士のような学壇の壇の深くまつりあげられた
超俗の学者が、嬉々として好きな野球随筆に打ちこんでいるのもアプレゲールの新風俗と....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
りそれを感じ易くて、三枝子とオソノはまだ子娘ながらも今村カメ女必ずしも奥ゆかしい
超俗の詩人にはあらず、神の正しい教えを身に体した偏見なき信女にあらず、と見ている....
「キャラコさん」より 著者:久生十蘭
っている。チャペックの『虫の世界』の幕開きに登場する、あのベルトラン先生のような
超俗なすがたである。 「暑い、暑い」 と汗をふきながら、立ったままで、いきなり....
「良寛様の書」より 著者:北大路魯山人
素直な草書ではない。同じ好き心から生れ出た書であるとしても、良寛様のそれは元来が
超俗非凡な天才的霊腕の仕業のこととて、魅力の上に天地霄壌の差を生じている。 由....
「思想動員論」より 著者:戸坂潤
鮮明且つ積極的になった処の国体明徴運動の如きは、林内閣の手によって祭政一致という
超俗的な神職的神話に結びつけられ、夫によって政治感覚全体を著しく形而上学化したの....