超然[語句情報] » 超然

「超然〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

超然の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
う言ったりした。僕は勿論内心では洲崎へでも何でも行《ゆ》きたかった。けれども彼は超然《ちょうぜん》と(それは実際「超然」と云うほかには形容の出来ない態度だった。....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
い。のみならず文章も千古無窮に力を保つかどうかは疑問である。観念も時の支配の外に超然としていることの出来るものではない。我我の祖先は「神」と言う言葉に衣冠束帯の....
老妓抄」より 著者:岡本かの子
いうと何か非常に動揺させられているように見えた。 はじめは軽蔑《けいべつ》した超然とした態度で、一人離れて、携帯のライカで景色など撮《うつ》していたが、にわか....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
よ」 折竹は、俺もかと思うとぞっと気味わるくなった。じぶんだけは、男のなかでも超然として、なんの白痴女と些細《ささい》も思わぬと考えていたのに、やはり、ダネッ....
ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
空を四角に切り抜いたようなツルマキ・アパートが、あたりの低い廂をもった長家の上に超然と聳えていた。 と、そのときだった。 「ギャーッ」 たしかギャーッと耳の....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
した。お母さんが自分の書いたものの世評に(たとえば先々月号の××に載ったような)超然としていると聞いて、すっかり安心しました。自分の中にある汗、垢、膿、等を喜ん....
売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
ものと極めたようにほとんど機械的に言った。そして頸窪をその凭掛った柱で小突いて、超然とした。 「へッ! 上りは停電。」 「下りは故障だ。」 響の応ずるがごとく....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
り、雲の峰が立った空へ、桟橋のような、妻恋坂の土に突立った、この時ばかり、なぜか超然として――博徒なかまの小僧でない。――ひとり気が昂ると一所に、足をなぐように....
化銀杏」より 著者:泉鏡花
んな時あ問題を一つ見たばかりで、一時間まる遊び。」 「だから、西岡は何でも一方に超然として、考えていることがあるんだろう。えらい! という者もあるよ。」 お貞....
岡本一平論」より 著者:岡本かの子
は丁度象かなどの様に見えます。この容態で氏は、家庭に於て家人の些末な感情などから超然として、自分の室にたてこもり勝ちであります。その室は、毎朝氏の掃除にはなりま....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
見ゆるにさも似たり。月は峰の松の後になりぬ。 坂道にのぼりかけつ。頂にいたりて超然として一眸のもとに瞰下さば、わが心高きに居て、ものよく決むるを得べしと思いて....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
らんで、御存じの通り、私は、色気もなく、慾気もなく、見得もなく、およそ出世間的に超然として、何か、未来の霊光を認めておるような男であったのを御存じでしょう。 ....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
るしく心を掻き乱されたようであった。わたしは、彼が少なくともかかる妄想に対しては超然としているだろうと、当然考えていたからである。 迷信という問題に就いて、か....
オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
り、上流の人達が交わす嬌声の外は、何一つ聴こえなかったけれども、その渦の中で一人超然とし、絶えず嘆くような繰言を述べ立てている一群があった。 その四、五人の人....
とと屋禅譚」より 著者:岡本かの子
に向って来るかと思いのほか ――全くさ、幇間と来たら、こりゃ論外でさ」 と、超然とする。国太郎は張合い抜けがして魯八のしょげた男をいたわってやらなくちゃなら....