超絶[語句情報] »
超絶
「超絶〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
超絶の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「上高地風景保護論」より 著者:小島烏水
い、欧洲アルプスのマタアホーン山は、日本の槍ヶ岳に類似した峻峰で、久しく人界から
超絶していたが、ゼルマットという登山地点が発見せられ、そこにいい旅館が出来て、叮....
「日本山岳景の特色」より 著者:小島烏水
うまでもないこと、その秀麗の山貌と、優美の色彩と、典雅の儀容とにおいて、群山から
超絶している、むしろ統御の別席をしつらえるために、ことさらにアルプス大山系を回避....
「自分だけの世界」より 著者:辻潤
えばそうだといえるかも知れない。しかし彼は自分の説く「自我」をフィヒテ等の所謂「
超絶的自我」或は又仏教徒などのよく口癖にする「大我」というようなものから、ハッキ....
「奴隷根性論」より 著者:大杉栄
怪しからんことだ」と言ったという。 アシャンチ族の酋長は、いっさいの法律の上に
超絶していて、酋長の子はどんな悪事をしても罰せられることがない。そして臣下は酋長....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
胸につけ、眠ったような形で黙考を凝らしていたが、おそらく内心の苦吟は、彼の経験を
超絶したものだったろうとおもわれた。事実まったく犯人のいない殺人事件――埃及艀と....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
そうして、シトロエンの探検隊がこれからゆこうという場所が、いかにそれらさえも凌ぐ
超絶的な地位にあるかということを、読者諸君にはっきりと知って貰おう。 一、南米ア....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
気質は、外のものよりもたっぷりと持ち伝えている。 柚子は世間のすねものである。
超絶哲学者の猫が、軒端で日向ぼこりをしながら、どんな思索にふけっていようと、また....
「認識論とは何か」より 著者:戸坂潤
ではない。処がアレテー=真理はそれがイデアのものでありエイドスのものである限り、
超絶した或るものにぞくするのでなければならなかった。近代的用語で云えば、客観的な....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
は、社会民衆の物的生活利害に就いてではなくて、正にそうした民衆の社会的物質生活を
超絶した高みからすることに就いてであった。それが民衆生活の世俗問題にまで天下って....
「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
私自身であった。そして、偶然にも、私の科学上の研究の方向がもっぱら神秘的なものと
超絶的なものの方へ向っていたので、それがこの両面の絶え間のない闘争という意識に反....
「絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
。けれども、そうしているお筆を眺めているうちには、何時となく、彼女が人間の限界を
超絶しているような存在に考えられて来て、そこから満ち溢れて来る、不思議な力に圧倒....
「地上」より 著者:島田清次郎
か、男に弄ばれるか、男を嫌うかのちがった道をとらせはしても、心の根底には、意識を
超絶した奥深いところではくみ尽すことの出来ぬ悲哀と憎悪が凝結しているのだ。その感....
「明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
つも優勢で、ずいぶん極端までゆくことを常としたものである。もう一つの側は唯心的、
超絶的、主観的、道徳的、宗教的、というような思想の系統である。この側は前者に比す....
「明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
道側の者もあれば無宗教の者もないではない。かように複雑である。それで特殊な宗教を
超絶した一般的普遍的の宗教をもってするでなければならぬ。そのような宗教は倫理教よ....
「最近の感想」より 著者:種田山頭火
作者の心にまで分け入らなければならない。広い正しい心は毒舌や先入見や一時の感情を
超絶する。つつましやかにしてしかも力強く、あたたかにしてしかも権威ある批判は、魂....