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越
「越〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
越の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
る。何か幽霊のようにぼんやりと。
15
飾り窓の板硝子
越しに造花を隔てた少年の上半身。少年は板硝子に手を当てている。そのうちに息の当る....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
、どこかにありありと残っている。
「飯沼! 君の囲い者じゃないか?」
藤井は額
越《ひたいご》しに相手を見ると、にやりと酔《よ》った人の微笑を洩《も》らした。
....
「影」より 著者:芥川竜之介
後の女の顔へ、さっきからじっと注がれている。
女はまだ見た所、二十《はたち》を
越えてもいないらしい。それが壁へ貼った鏡を後に、絶えず鉛筆を動かしながら、忙《せ....
「河童」より 著者:芥川竜之介
序
これはある精神病院の患者、――第二十三号がだれにでもしゃべる話である。彼はもう三十を
越しているであろう。が、一見したところはいかにも若々しい狂人である。彼の半生の経....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
は浮かない顔をしながら、どんよりと曇った高台《たかだい》の景色を硝子《ガラス》戸
越しに眺めていた。
「僕は近々《きんきん》上海《シャンハイ》の通信員になるかも知....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
げい》の槍術《そうじゅつ》で、相手になった侍を六人まで突き倒した。その仕合には、
越中守《えっちゅうのかみ》綱利《つなとし》自身も、老職一同と共に臨んでいたが、余....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
、一向《いっこう》御取上げにならなかったんだから、――」
牧野はちらりと長火鉢
越しに、お蓮の顔へ眼を送った。お蓮はその言葉も聞えないように、鉄瓶のぬるんだのを....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
かしそれよりも忘れられないのはお嬢さんと顔を合せた途端《とたん》に、何か常識を超
越した、莫迦莫迦《ばかばか》しいことをしはしないかと云う、妙に病的な不安である。....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
どうも世の中はうっかり感心も出来ません、二三歩先に立った宿の主人は眼鏡《めがね》
越しに我々を振り返ると、いつか薄笑いを浮かべているのです。
「あいつももう仕かた....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
じながら、すごすご茶の間《ま》へ帰って来た。帰って来ると浅川の叔母《おば》が、肩
越しに彼の顔を見上げて、
「どうだえ? お母さんは。」と声をかけた。
「目がさめ....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
ん》と葉巻の煙を輪に吹きながら、巧みに信用を恢復《かいふく》した。それは医学を超
越《ちょうえつ》する自然の神秘を力説したのである。つまり博士自身の信用の代りに医....
「「菊池寛全集」の序」より 著者:芥川竜之介
実を指したのであろう。この意味では菊池寛も、文壇の二三子と比較した場合、必しも卓
越した芸術家ではない。たとえば彼の作品中、絵画的効果を収むべき描写は、屡、破綻を....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
予は
越後三条の生れなり。父は農と商を兼ねたり。伯父は春庵とて医師なり。余は父よりは伯....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
侵入しての帰りみちに行きあい、馬のうしろに乗せられ、藪を通り、草むらを抜け、丘を
越え、沼地をわたって駈けてゆき、ついにこの橋についた。そのとき、騎士は突然|骸骨....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
って来たという話を、さもさも大事件のように力を入れて話していたのでした。 峠を
越すと、広い平原になって、そこから城下の方まで、十里四方の水田がひろがって、田に....