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越す
「越す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
越すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
い炎を加えるだけであろう。
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我々の特色は我々自身の意識を超
越するのを常としている。
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幸福は苦痛を伴い、平和は倦怠《け....
「或る女」より 著者:有島武郎
》なくすんだのを選んだけれども、顔だけは存分に若くつくっていた。二十《はたち》を
越すや越さずに見える、目の大きな、沈んだ表情の彼女の襟の藍鼠《あいねずみ》は、な....
「溺れかけた兄妹」より 著者:有島武郎
そっちへ行くと駄目だよ、波がくだけると捲《ま》きこまれるよ。今の中《うち》に波を
越す方がいいよ」
といいました。そういわれればそうです。私と妹とは立止《たちど....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
図をいたして、荷物を片着けおりまする最中。どこへ引越される、と聞きましたら、(引
越すんじゃない、夜遁げだい。)と怒鳴ります仕誼で、一向その行先も分りませんが。」....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
必至には二つの道はない。二つの道のない所には善悪の選択はない。故にそれは道徳を超
越する。自由は sein であって sollen ではない。二つの道の間に選ぶた....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
常識的には今後三十年内外は余りに短いようであるが、次の大変化は、われらの常識に超
越するものであることを敬虔な気持で考えるとき、私は「三十年内外」を否定することは....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
んだ。」 と不意にがッくりと胸を折って俯向くと、按摩の手が、肩を辷って、ぬいと
越す。……その袖の陰で、取るともなく、落した杯を探りながら、 「もしか、按摩が尋....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
羅がめらめらと動いているのがありました、それが宿はずれで、もう山になります。峠を
越すまで、当分のうち家らしいものはございませんや。 水の音が聞えます。ちょろち....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
大廻りですものね。さあ、いらっしゃい。まこと開かなけりゃ四目垣ぐらい、破るか、乗
越すかしちまいますわ。抱かれてやろうといって下すった、あなたのためなら。……飛ん....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
る、その田圃も何となく、大な庭の中にわざと拵えた景色のような、なだらかな道を通り
越すと、坂があって、急に両側が真赤になる。あすこだろう、店頭の雪洞やら、軒提灯や....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
生が寝ている筈。 その方にも厠はあるが、運ぶのに、ちと遠い。 件の次の明室を
越すと、取着が板戸になって、その台所を越した処に、松という仲働、お三と、もう一人....
「野のはくちょう」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
いっしょに行く勇気があるかい。わたしたち、腕一本でも、おまえをかかえて、この森を
越すだけの力はある。だからみんなのつばさを合わせたら、海のうえをはこんでわたれな....
「活人形」より 著者:泉鏡花
あって捕吏を招集せんか、下枝は風前の燈の、非道の刃にゆらぐ魂の緒、絶えんは半時を
越すべからず。よしや下枝を救い得ずとも殺人犯の罪人を、見事我手に捕縛せば、我探偵....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
って来たという話を、さもさも大事件のように力を入れて話していたのでした。 峠を
越すと、広い平原になって、そこから城下の方まで、十里四方の水田がひろがって、田に....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
低下するに従い、財政・外交等はその地位を高む。即ち、前者に在りては戦略は政略を超
越するも後者に在りては逐次政略の地位を高め、遂に将帥は政治の方針によりその作戦を....