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「越中島〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

越中島の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
空中墳墓」より 著者:海野十三
いきれないという風に、息をはずませて早口に語り出した。 それによると、彼は今も越中島の航空機製作会社につとめているが、今では技師長の職に在る。それは今から七日....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
な柱は鋸や斧で伐られ、それに大綱を鯱巻きにして引きつぶされた。諸道具諸書物の類は越中島で焼き捨てられ、毛利家の定紋のついた品はことごとくふみにじられた。 やが....
大正十二年九月一日よりの東京・横浜間大震火災についての記録」より 著者:宮本百合子
石井の逃げた様子。 すぐ舟に家族のものと荷もつだけをのせ、大川に出た。ところが越中島の糧秣廠がやけ両国の方がやけ、被服廠あとがやけ四方火につつまれ川の真中で、....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
すざき》や月島は被害が甚《ひど》かった。庭の眺めになるほどの距離にある相生橋から越中島の商船学校前には、避難して来ていた和船《おおぶね》が幾艘《いくそう》も道路....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
る――血がポタポタ垂れている――と、ほんとか嘘《うそ》か、ワッという騒ぎが来て、越中島の練兵場で、ズドンズドン並んで、鉄砲でやられているのと、盛んな蜚語《ひご》....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
砲台でもない。すると、これは島ですな。江戸に島と名のつくところは、そう数はない。越中島、……佃島……それから石川島……。と、言ったってそんなびっくりした顔をなさ....
あなたも私も」より 著者:久生十蘭
ったように、意地の悪い、ひねくれたオールド・メードのようになってしまうのだろう。越中島の白い煙突、黒い煙突からたちのぼる煙が、空から吹き落され、黒い靄のように掘....
金狼」より 著者:久生十蘭
1 市電をおりた一人の男が、時計を出してちょっと機械的に眺めると、はげしい太陽に照りつけられながら越中島から枝川町のほうへ歩いて行った。左手にはどす黒い溝渠《ほりわり》をへだてて....
円太郎馬車」より 著者:正岡容
うんです。気味が悪いなあ」 「なんでもいいんだよ。それより圓太郎、私アお前に昨日越中島の養老院の年忘れに落語《はなし》をやってきておくれとお頼みしたンだよ。だの....
深川の唄」より 著者:永井荷風
れながら、印度洋でも横断するようにやっとの事で永代橋の河下《かわしも》を横ぎり、越中島《えっちゅうじま》から蛤町《はまぐりちょう》の堀割に這入《はい》るのであっ....
」より 著者:吉川英治
そんな世間か、江戸はな、浪人や無職者で、押し合ってるんだ。お上でも、持て余して、越中島の寄せ場へ、無宿人を集めたり、台場人足で、仕事をこさえたり、浪人徴募ってん....