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「越中褌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

越中褌の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
将軍」より 著者:芥川竜之介
》うように、ますます滑稽《こっけい》を重ねて行った。そうしてとうとうしまいには、越中褌《えっちゅうふんどし》一つの主人が、赤い湯もじ一つの下女と相撲《すもう》を....
坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
、かっぽれを済まして、棚《たな》の達磨《だるま》さんを済して丸裸《まるはだか》の越中褌《えっちゅうふんどし》一つになって、棕梠箒《しゅろぼうき》を小脇に抱《か》....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
からね」 「その時の君の風采《ふうさい》はなかったぜ、金巾《かなきん》のしゃつに越中褌《えっちゅうふんどし》で雨上りの水溜りの中でうんうん唸《うな》って……」 ....
巡査辞職」より 著者:夢野久作
て、色の黒い、人相の悪い顔に、無精鬚《ぶしょうひげ》を蓬々《ぼうぼう》と生した、越中褌《えっちゅうふんどし》一つの逞ましい小男が半身を現わした。 「どうしたんか....
私の父」より 著者:堺利彦
をしのぶ時、それは炬燵にあたっている姿か、さもなくば畑いじりの姿である。ことに、越中褌一つで、その前ごをキチンと三角にして、すっぱだかで菜園の中に立っている姿が....
渋江抽斎」より 著者:森鴎外
やすは保さんの姉|水木と長唄の「老松」を歌った。柴田常庵という肥え太った医師は、越中褌一つを身に着けたばかりで、「棚の達磨」を踊った。そして宴が散じて帰る途中で....
黒白ストーリー」より 著者:杉山萠円
。 三平は風呂場の裏にまわって積んである煉瓦を一ツ取り上げた。そこに干してある越中褌で包んで紐でグルグル巻きにして袖の間に抱え込んだ。材木の間を通って最前の男....
超人鬚野博士」より 著者:夢野久作
自覚した……女ばかりじゃない。人間万事が何一つ当てにならない事を自覚した吾輩は、越中褌の紐が切れたみたいな人間になってしまった。する事|為す事が、一つも手に附か....
芝居狂冒険」より 著者:夢野久作
の破片が二つ三つ落ちていた。その一つを拾った万平は、向うの壁に干してある、誰かの越中褌で包んでシッカリと紐で結えて、大切そうに袖の間へシッカリと抱えた。女の身振....
近世快人伝」より 著者:夢野久作
弟よ! 神様の思召に依りまして、チンプンカンプン様の顎タンを結ばれました事は――越中褌のアテが外れた時と全く全く同じように、ありがたい、尊い、勿体ない、嬉しい嬉....