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越権
「越権〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
越権の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「麻雀殺人事件」より 著者:海野十三
。それに松山のポケットから出て来た手紙によると、松山は川丘みどりに対して、大分優
越権をもっているらしいが、この二つの事実は反対の意味を持っているように思うんだが....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
》く行っているのだから、新聞を唆《そそのか》しているのは領事連に違いない。彼等の
越権行為を私が屡々《しばしば》攻撃しているからだ。今日の記事など、実に陋劣《ろう....
「学者と名誉」より 著者:夏目漱石
講じないで、徒《いたず》らに表彰の儀式を祭典の如く見せしむるため被賞者に絶対の優
越権を与えるかの如き挙に出でたのは、思慮の周密《しゅうみつ》と弁別《べんべつ》の....
「獏鸚」より 著者:海野十三
こへずかずかと入ってきましてね。あの娘を裸にして調べていったのですよ」 「そりゃ
越権だナ。裸にするなんて……」 「尤も是非署へ引張ってゆくといったんですが、所長....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
るものではなく、又単に政治や経済や宗教の問題に限られているものではなくて、一切の
越権は、一切の職権×用は、皆多少とも「高等」政策の意味を有っているし、又高等政策....
「ひと吾を公式主義者と呼ぶ」より 著者:戸坂潤
システムが露骨に見えはせぬかという心配は、日本の文学の現状では少し先き走りすぎた
越権でさえもあるように思われる。まず第一に心配すべきは無思想と無体系――世界を把....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
反抗した。しかしこんどの場合は、彼一人だけの問題ではなかった。彼にたいする人々の
越権な振舞は、ただに彼の権利を侵害するばかりではなく、彼が心をささげていた死者の....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
た。彼は不安と心痛とを覚えさせられた。 けれども彼はなお、恋愛から与えられた優
越権をジャックリーヌにたいして失ってはいなかった。そしてこの若い夫婦は、やさしい....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
。しかし定住的国家の弱点、またはこれらの放浪的種族の多くの一時的結合が、彼らに優
越権を与えるや否や、暴風は地球上の最も美しい地方に狂い、そして支那、ペルシア、エ....
「レンズとフィルム」より 著者:中井正一
う。 しかし、事実は事実である。 限界を越えたる自我の自由が経済領域で犯せる
越権、芸術において、哲学において、道徳において犯せる
越権が、それに値する刑罰を課....
「城」より 著者:カフカフランツ
心になり、われわれのところを去り、われわれのほうはただひとり、われわれの職務上の
越権に直面して無防備の状態でそこに立っているわけですからね。――これはどんなもの....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
れまして、そのうえに兵馬の権力をお握らせになっているのは、あのかたを荷やっかいな
越権者にさせるにもってこいの、誘惑のようなものでございましょうから。でございます....
「空罎」より 著者:服部之総
具その他の武器、大和錦は商人より売渡方を許さず。 など、諸藩にたいする幕府の優
越権は細心に配慮されている。 ところで、この記念すべき日本最初の自由貿易条約は....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
」 「六波羅一|掃の後、おのれ六波羅奉行と称え、御教書などを布令だし、かずかずの
越権、目にあまるものがある。――その足利こそ油断ならぬ者だ。しかるに、みかどはそ....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
る佐藤剛蔵があり、同心では、北の三羽烏とも、中山の三十手ともいわれる早川逸平、河
越権兵衛、倉橋剣助などの腕ききが揃っていた。 正徳四年に就役して以来、出雲守は....