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足が向く
「足が向く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
足が向くの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「眉山」より 著者:太宰治
局、また若松屋という事になるのである。何せ、借りが利くので、つい若松屋のほうに、
足が向く。 はじめは僕の案内でこの家へ来たれいの頭の禿《は》げた林先生すなわち....
「メリイクリスマス」より 著者:太宰治
この酒場にも借金が溜って憂鬱《ゆううつ》な時には、いきおいただで飲ませるところへ
足が向くのである。戦争が永くつづいて、日本にだんだん酒が乏しくなっても、そのひと....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
と羽織の紐《ひも》をひねくりながら謎《なぞ》見たような事をいう。「どっちの方角へ
足が向くかね」と主人は真面目な顔をして、黒木綿《くろもめん》の紋付羽織の袖口《そ....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
、昼はやがて夜となった。 食後散歩に出ると、行くともなしに、またもや頼家の方へ
足が向く。なんだか執り着かれたような気もするのであった。墓の下の三洲園という蒲焼....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
蒲団のように恋しくなるものだ。
東京へ行きましょう。夕方の散歩に、いつの間にか
足が向くのは駅への道だ。駅の時間表を見ていると涙がにじんで来て仕方がない。
(....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
一里が二里、思い立ったら、歩けぬことはありますまい」
浪路は答える。
二人の
足が向くのは、護国寺前通り――参詣《さんけい》の善男善女、僧坊の大衆を目あてに、....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
、それに習慣というものは恐ろしいもので、周囲の事情がどう変ろうとも、渋谷駅の方に
足が向く古い癖は決して直ろうとはしない。だが彼はこの牢として抜くべからざる奴隷的....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
は禁物――とそれは兵馬も充分に心得ておりました。 充分に心得ながら、ツイ吉原へ
足が向くようになったのは、そもそもこの同情がいけなかったのだと、のぼせきっている....
「火の扉」より 著者:岸田国士
る。むろんそれは務めという考えもあるにはあつたが、この生徒の家庭へはわりに気軽に
足が向くのである。気軽にと言つては言いすぎかも知れぬ。正確に言うと、おつくうのよ....
「放浪記(初出)」より 著者:林芙美子
と蒲団のように恋しくなるものだ。 東京へ行こう! 夕方の散歩に、いつの間にか
足が向くのは駅。駅の時間表を見ていると涙がにじんで来る。 十二月×日 赤靴の....
「秋の修善寺」より 著者:岡本綺堂
いが、昼はやがて夜となった。食後散歩に出ると、行くともなしに、またもや頼家の方へ
足が向く。なんだか執り着かれたような気もするのであった。墓の下の三洲園という蒲焼....
「新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
えば一口も咽喉を通らぬ様になって、今は隣の湯豆腐、その又となりの鉢巻の岡田の方へ
足が向く様になった。 この鉢巻の岡田というのはそう古い事ではない様に思われるが....