足が早い[語句情報] » 足が早い

「足が早い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

足が早いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
の中を長ぞうりはいて着流しのくせに、ちょこちょこと二十間ばかりのあとから、じつに足が早いのです。 「まず町飛脚という見当かな。黒幕はたしかに二本差しにちげえねえ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
して広徳寺前で不意に突きかけられた。無論に身をかわして引っぱずしたが、相手は逃げ足が早いので、それを取り押えることが出来なかった。 年のわかい彼はそれを口惜し....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
すます気味が悪くなって、一生懸命に駈け出すと、女もつづいて駈け出したが、丁の逃げ足が早いので、しょせん追い付かないと諦めたらしく、女は俄かに身をひるがえして水の....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
そのあとを追って行った。八月以来ここらの山路には歩き馴れているので、僕もかなりに足が早いつもりであるが、彼の歩みはさらに早い。わずかのうちに二間離れ、三間離れて....
碧蹄館の戦」より 著者:菊池寛
落ちて来た。救援を求める使は、踵を接して北京に至る有様である。あんまり朝鮮王の逃足が早いので、一明使は朝鮮王が、日本軍の先鋒を承って居るのではないかと疑ったが、....
槍ヶ岳第三回登山」より 著者:小島烏水
青草や、仆れている朽木からは、人の嗅覚をそそるような古い匂いがして、噎びそうだ、足が早いので、一丁も先になった嘉門次は、私を振り返って「他所の人足は使いづらくて....
荷花公主」より 著者:田中貢太郎
みを見出した彭は、非常に気が強くなってそのまま随いて行ったが、女も老婆も不思議に足が早いので、路の曲っている所などでは、ときどき二人の姿を見失いそうになった。 ....
暗号音盤事件」より 著者:海野十三
日から私の目について、望郷病らしいものを感じさせられたのであった。 「ずいぶん、足が早いのね」 と、バーバラは、他の四人をずんと抜いて、私たちの間に入ってきた....
人造人間エフ氏」より 著者:海野十三
からなかった。もしや気が変になったのではないかとうたがったくらいであった。正太は足が早いから、妙な腰つきで山道を匐うように逃げる大辻には、すぐに追いついた。そこ....
わがまま」より 著者:伊藤野枝
ないように懸命になって急いだ。永田はとうとうこらえきれずに、 「登志さんは馬鹿に足が早いんだね」といった。登志子は返事することも出来なかった。 家では祖母が出....
『井伏鱒二選集』後記」より 著者:太宰治
は、泣かせない。読者が泣こうとすると、ふっと切る。」 「井伏の小説は、実に、逃げ足が早い。」 また、或る人は、ご叮嚀にも、モンテーニュのエッセエの「古人の吝嗇....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
の定紋の附いた提灯がちらと見えますと、私はすぐ家へ向って走ります。けれども車夫は足が早いのですから、とても駈抜けられないと思った時は、途中にある横道の河合の蔵の....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
…… 富来を立つ時、荷かつぎを雇うと、すたすた、せかせか、女の癖に、途方もなく足が早い。おくれまいとすると、駆出すばかりで。浜には、栄螺を起す男も見え、鰯を拾....
父親と自転車」より 著者:小川未明
、答えました。 そばにいた吉坊は、独り取り残されるのが悲しくなって、 「僕は、足が早いんだよ。だから、僕もいっしょに走りっこをしよう。」といいました。 そし....
新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
ばめの如く、断髪の美女がかすめて通る。一と昔前の女性とは種類が違うかのようにその足が早い。サッ/\と歩いて行く。又向うから三人づれ位の美人が来る。実に女が多い。....