足を向ける[語句情報] » 足を向ける

「足を向ける〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

足を向けるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
いが、聊か便りとするは寝台の枕許に当る絵姿である、寝台は先刻煖炉を焚いた室の方へ足を向ける方向に据って居たから絵姿の背後は廊下に違いない。爾して絵姿の眼から内を....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
きない用を抱えていたので、二、三日という約束が四、五日に延びて、半七はその町内へ足を向けることが出来なかった。すると、四、五日のあいだに又いろいろの事件が生み出....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
い。なにしろ念のために一応その方角を調べてみようと思い立って、彼は更に目黒の方に足を向けると、空の色はいよいよ悪くなって来た。 「降られるかな」 半七は空をみ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
た。 宿の入口の小料理屋へはいって、半七は夕飯を食った。それから源助町の方角へ足を向けるころには、雨ももう歇んでいた。尻を端折って番傘をさげて、半七は暗い往来....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
た。そのうちに怪人は、弟の死霊に惹きよせられるもののように、問題の藪だたみの方に足を向けると、ガサガサと繁みを分けて姿を消してしまった。それを見て一郎はムラムラ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
する。時に亭主多吉に誘われれば、名高い講釈師のかかるという両国の席亭の方へ一緒に足を向けることもある。そこへ新乗物町に住む医師の金丸恭順が訪ねて来た。恭順はやは....
反抗」より 著者:豊島与志雄
田は呟いた。 竹内のことだと分っていたが、周平は何とも云わなかった。下宿の方へ足を向けると、村田はなお別れないでついて来た。可なり暫くたってから、彼は突然云っ....
不肖の兄」より 著者:豊島与志雄
れほど潔白なものではないということを、兄に向って云いたかったのだ。僕が時々遊里に足を向けるからと云って、僕をさも汚れた者のように取扱い、風呂にも先に入れないで、....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
な消極的なきまり文句では少し心あるものには、その店主の脳味噌の程が思いやられて、足を向ける気がしない。 百貨店では広告の文句、宣伝の方法を真剣に研究している。....
こま犬」より 著者:岡本綺堂
子がどんなに変っているかという事を知りたくもなったので、ついふらふらとその方面へ足を向けることになった。こうなると、僕もやはり一種の好奇心に駆られていることは否....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
はきっとおもしろいよ。どうだろう。」 藤村はこういっておいて、ずんずんその方へ足を向ける。二人はついて行った。どうやらこれなどもあらかじめ用意しておいた計画の....
戯曲復興の兆」より 著者:岸田国士
ればこれに越したことはない。一般的に、その有力な動機となるのは、ともかくも劇場に足を向けることであり、最初は面倒でも、多少は楽屋裏の空気を吸うことである。俳優の....
決闘」より 著者:神西清
「よし、行け。……」 威風堂々と体を揺すりながら、彼はレモナーデのスタンドへ足を向ける。一見グルジヤ女〔するような声で言う。 「君、ソーダ水を一杯たのむ!」....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
ファの一つに寝て毛布を引っかぶる。Yは鍵の手なりに、私の足へその毛むくじゃらの両足を向けると、すぐに、そのまま、ぐうぐうと深い鼾をかき出した。 私もまたそれな....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
此場合彼等にムズカシイ顔は見せて貰いたくなかったのだ。 愈々恐ろしい舞台の方へ足を向ける。雪はもう薄くなって二、三尺の厚さしかない、知らずに中央を歩いていた私....