足並[語句情報] »
足並
「足並〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
足並の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夜行巡査」より 著者:泉鏡花
き。造次《ぞうじ》の間八田巡査は、木像のごとく突っ立ちぬ。さらに冷然として一定の
足並みをもて粛々と歩み出だせり。ああ、恋は命なり。間接にわれをして死せしめんとす....
「俊寛」より 著者:菊池寛
経と康頼とは砂浜を根よく走りつづけた。俊寛も、彼らの熱心な走り方を見ると、自分の
足並みが、いつの間にか、急ぎ足になるのをどうともすることができなかった。 その....
「朱日記」より 著者:泉鏡花
かり前だそうだ。 授業が済んで帰るとなる、大勢列を造って、それな、門まで出る。
足並を正さして、私が一二と送り出す…… すると、この頃塗直した、あの蒼い門の柱....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
間声をあげたのは、次席検事の雁金浩三氏だった。 「全くですよ。市議の方も、今度は
足並が揃っていませんがあれでどうしようというのですかねえ」 と相槌を打ったのは....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
、火縄の口火が散るからであろう。 規律正しい武田家の、鉄砲足軽というにも似ず、
足並みも揃えず伍も組まず、互いに体をくっ付け合わせ、おどおどしながら歩くのは、恐....
「火星兵団」より 著者:海野十三
国とも、にらみ合っていたんだから、そうかんたんに一しょにはなれないよ」
各国の
足並は、まだみだれがちであったが、とにかく、日一日と、地球総力戦の体制が、まとま....
「一九五〇年の殺人」より 著者:海野十三
断した二人の身体を半分ずつ接ぎ合わせてあった。右がレッドで、左がヤーロ。ちっとも
足並が揃わず、二本の手は激しく抓り合っている。 「さあ、こっちへ来い」と課長は意....
「売春婦リゼット」より 著者:岡本かの子
いうのは午後十一時過ぎのように全く遊び専門の人種になり切っていなかった。いくらか
足並に余裕を見せている男達も月賦の衣裳屋の飾窓に吸付いている退刻女売子の背中へ廻....
「倫敦の一夜」より 著者:岡本綺堂
隊ごとに思い思いのユニフォームを着けた少年軍が、太鼓をたたき、喇叭を吹きながら、
足並をそろえて公園へ続々と繰込んでくる。今にも降り出しそうに暗い大空の下にも、一....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
出ようとした時彼は大勢の足音を聞いた。見れば鷹狩りの群れが来る。 その一群れは
足並揃えて粛々とこっちへ近寄って来る。同勢すべて五十人余り、いずれも華美の服装で....
「紅白縮緬組」より 著者:国枝史郎
が十人ながら白い布で、厳重に覆面していることで、そして、男とは思われないほどその
足並は柔弱である。 怪しいと見て取った紋十郎は、二人の同心へ合図をして、樹立の....
「女侠伝」より 著者:岡本綺堂
いといいながら、雨は強くもならず、小やみにもならない、さっきから殆んど同じような
足並でしとしとと降りつづけている。午をすぎてまだ間もないのに、湖水の上は暮れかか....
「荘子」より 著者:岡本かの子
通り周の洛邑に通ずる街道筋に当っていた。日ざしも西に傾きかけたので、車馬、行人の
足並みも忙しくなって来たが、土坡の縁や街道を越した向側の社のまわりにはまだ旅人の....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
なるを、びったりと背でおさえて、愛吉は土間一杯に身構えながら、件の賽の目のごとき
足並の人立に向って、かすれた声、 「やい! 何方様もよくおいで遊ばされやがったね....
「城」より 著者:カフカフランツ
、フリーダに恋いこがれる気持かね? 私だってその気持では君に劣らないよ。だから、
足並みをそろえていこうじゃないか」
暗い紳士荘の前には人びとの小さなむれ....