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「足代〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

足代の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
国貞えがく」より 著者:泉鏡花
立《ひとだち》を前に控えて、大手前《おおてまえ》の土塀《どべい》の隅《すみ》に、足代板《あじろいた》の高座に乗った、さいもん語りのデロレン坊主、但し長い頭髪《か....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
二本の足で走っておいでよ」 「ちぇッ。どうせご番所のお手当金をいただくんだもの、足代ぐらいはしみったれなくたっていいじゃござんせんか」 「だから、おめえなんざい....
敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
という菓子屋があり、前町を出抜けて猿子橋にかゝりますると、此方は猿子橋の際に汚い足代を掛けて、苫が掛っていて、籾倉の塗直し、其の下に粘土が有って、一方には寸莎が....
婦人と文学」より 著者:宮本百合子
与之助と金持田原の娘との結婚話をすすめてゆく。 「わが為の道具につかひて、これを足代《あじろ》にとすれば何の恥しきことか、却つて心をかしかるべし」そして、「思召....
伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
ら、真先に予言者の不思議が漏れた。 一議に及ばぬ。 その夜のうちに、池の島へ足代を組んで、朝は早や法壇が調った。無論、略式である。 県社の神官に、故実の詳....
大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
気楽でいいかも知れない。なまじっかな見舞金や香奠の金子百円とか、葡萄酒三本位を片足代とか何んとかいって番頭長八が持参したりしては、全く仏壇からぬっと青い片足を出....
SISIDO」より 著者:宮本百合子
んです だから大抵大丈夫だろうと思うんですが――」 「月給七十円、べん当代30銭足代が出るから助ります 朝出るとき一円ぐらいもって行ったって足が出ますからね そ....
死者の書」より 著者:折口信夫
、と伝え言うのであった。そう言えば、山田寺は、役君小角が、山林仏教を創める最初の足代になった処だと言う伝えが、吉野や、葛城の山伏行人の間に行われていた。何しろ、....
文化祭」より 著者:坂口安吾
五助は人々を拝み倒して六人を先頭にのせてくれた。約束の日当一人千円、それに往路の足代千七百七十円、まさか払わないとは思わないから、一行はせきたてられ泡をくらッて....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
ず、乗馬の趣味だけは今もってつづけているが、一つには実用のために相違ない。老人の足代りに当時としては馬が一番安直だったかも知れないのである。馬丁に手綱をとらせず....
旅役者の妻より」より 著者:矢田津世子
るものです故、何んとなく部屋の空気が堅くるしく、金の話をせずにきたとの事、折角の足代も無駄になったというもの、仕方なく一時の融通かたをたよりで頼むと、大方どこぞ....
三枚続」より 著者:泉鏡花
なり。 氷屋の並びに表通から裏へ突抜けた薬屋の蔵の背があって、壁を塗かえるので足代が組んである、この前に五六人、女まじり、月を向うの仕舞屋の屋根に眺めて、いず....
越中劍岳先登記」より 著者:柴崎芳太郎
にも述べられぬほどです。上の方に攀登るのに綱を頭上の巌にヒョイと投げかけ、それを足代に登りかけると上の巌が壊れて崩れかかるという仕末で、その危険も一通りや二通り....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
何を云うにも屏風のような峭立の懸崖幾丈、下では徒爾に瞰上げるばかりで、攀登るべき足代も無いには困った。其中に、上では気が注いたらしい。 「待て、待て。畚を持って....