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「足取〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

足取の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
―ざっとこんな調子である。 その内に、酔《よい》が利いて来たのか、ひょっとこの足取がだんだん怪しくなって来た。丁度、不規則な Metronome のように、お....
或る女」より 著者:有島武郎
乱しながらも、ようやく葉子の手を振り放して廊下に飛び出した。葉子はよろよろとした足取りでそのあとを追ったが、とても愛子の敏捷《びんしょう》さにはかなわなかった。....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
三人の声は※《こた》えぬ。 白糸は猿轡《さるぐつわ》を吃《はま》されて、手取り足取り地上に推し伏せられつ。されども渠は絶えず身を悶《もだ》えて、跋《は》ね覆《....
国貞えがく」より 著者:泉鏡花
動きに、鼬《いたち》の香《におい》を芬《ぷん》とさせて、ひょこひょこと行《ゆ》く足取《あしどり》が蜘蛛《くも》の巣を渡るようで、大天窓《おおあたま》の頸窪《ぼん....
婦系図」より 著者:泉鏡花
のはお前へ餞別だ。」 五十八 主税は心も闇だったろう、覚束なげな足取で、階子壇をみしみしと下りて来て、もっとも、先生と夫人が居らるる、八畳の書斎....
朱日記」より 著者:泉鏡花
に逢った。同じ裸に、赤合羽を着たが、こればかりは風をも踏固めて通るように確とした足取であった。 が、赤旗を捲いて、袖へ抱くようにして、いささか逡巡の体して、 ....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
のまま跣足で、磯の巌道を踏んで来たのであった。 まだ船底を踏占めるような、重い足取りで、田畝添いの脛を左右へ、草摺れに、だぶだぶと大魚を揺って、 「しいッ、」....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
だそんな事を云いながら、肩にかけて引立てると、飛石から離れるのが泥田を踏むような足取りで、せいせい呼吸を切って、しがみつくので、咽喉がしまる、と呟きながら、宰八....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
を蹴立てて走っている。それらの中を一人の頑丈な、陰鬱な大男が沈黙と絶望の冷やかな足取りで歩きながら、こうした人々の心に不快と、忿怒と、なんとはなしに悩ましげな倦....
彼の長所十八」より 著者:芥川竜之介
らも大してはわからざる如し。 十四、どこか若々しき所ある事。 十五、皮肉や揚足取りを云わぬ事。 十六、手紙原稿すべて字のわかり好き事。 十七、陸海軍の術....
多神教」より 著者:泉鏡花
かつは郡へも町へも触れい。布気田。 禰宜 は。 神職 じたばたするなりゃ、手取り足取り……村の衆にも手伝わせて、その婦の上衣を引剥げ。髪を捌かせ、鉄輪を頭に、九....
三枚続」より 著者:泉鏡花
た目の色も見えて、私が手の鶏を御覧なすったが、何、あとのは張詰めた気が弛んだか、足取が乱れて、あっちへふらり、こっちへひょろり、一人は危険な欄干に凭れかかりまし....
註文帳」より 著者:泉鏡花
十、二八の二月で工面が悪し、霜枯から引続き我慢をしているが、とかく気になるという足取。 ここに金鍔屋、荒物屋、煙草屋、損料屋、場末の勧工場見るよう、狭い店のご....
罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
長く思われて、これを見詰めているのが、何とも言えぬ苦しさであった。次の刹那には、足取り行儀好く、巡査が二人広間に這入って来て、それが戸の、左右に番人のように立ち....
茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
て見える。その一つ一つを選択するのである。すぐに決定する。歩み出すとき、軽々しい足取りが思わず大空の遠い薄雲を眺めさしたり、連峰の肩に鮮かに生い立った老松の影を....