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足弱
「足弱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
足弱の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
の根がたに佇《たたず》んだ老人の姿を見るや否や、気づかわしそうに寄り添った。この
足弱の一群からは、「思兼尊《おもいかねのみこと》、思兼尊。」と云う言葉が、ため息....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
り》も、林右衛門自ら、小腋《こわき》にして、先に立った。武具を担《にな》ったり、
足弱を扶《たす》けたりしている若党|草履《ぞうり》取を加えても、一行の人数《にん....
「富士」より 著者:岡本かの子
識の国から、未萌の神秘の国へ探り入る気ずつなさはあったが―― 甲斐々々しくとも
足弱の女の旅のことである。女が駿河路にかかったときには花後の樗《おうち》の空に、....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
親類があるので、恐らくそこへ頼って行ったのではあるまいかという見当も付いた。 「
足弱《あしよわ》連れだ。途中で追っ付くだろう」 半七は庄太を連れて、その次の日....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
越の新河岸へ着く。それが一昼夜とはかかりませんから、陸を行くよりは遙かに便利で、
足弱の女や子供でも殆ど寝ながら行かれるというわけです。そんな関係からでしょうか、....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、その晩は程ヶ谷か戸塚にとまって、次の日が小田原泊りというのですが、女や年寄りの
足弱連れだと小田原まで三日がかり。それから小田原を発って箱根へのぼるというのです....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
旅を続けて、その帰りには江戸見物もして、今や帰国の途中であると話した。この時代に
足弱と供の者とを連れて奥州から四国路までも旅行をするというのは、よっぽど裕福の身....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
はり明るく晴れているのであるが、海の上には眼に見えない風がごうごうと暴れ狂って、
足弱な女子供はとても立ってはいられなくなった。ある者はよろめき、ある者は吹き倒さ....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
んつくで出ましたわ……見えがくれに行く段取だから、急ぐにゃ当らねえ。別して先方は
足弱だ。はてな、ここらに色鳥の小鳥の空蝉、鴛鴦の亡骸と言うのが有ったっけと、酒の....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
せ、止せ、止さないか、畜生。」 と、いうとともに、胆略も武勇もない、判官ならぬ
足弱の下強力の、ただその金剛杖の一棒をくらったごとく、ぐたりとなって、畳にのめっ....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
に肩を並べたように、どっかと坐って、 「これだ。これがなかろうもんなら、わざわざ
足弱を、暮方にはなるし、雨は降るし、こんな山の中へ連れて来て、申訳のない次第だ。....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
こりゃ冥土へ来たのかと思った。あの広場を手探りでどうするもんかね。…… 背後の
足弱が段々|呼吸づかいが荒くなってね、とうとう、 (ちっと休みましょう。) と....
「恨みの蠑螺」より 著者:岡本綺堂
でいい。男はあるいていく。」と、四郎兵衛は言った。 金沢までの相談が決まって、
足弱のお杉だけが、話の種に乗ることになった。男ふたりは附添って歩いた。牛を追って....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
りませいでは……。」 「いや、わたしの道連れは采女一人でよい。そなたは騎馬じゃ。
足弱と連れ立っては迷惑であろう。ひと鞭あてて京へ急ぎゃれ。」 「姫上はそれがしが....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
抜苦功徳のためとして、小さな石地蔵が六体、……ちょうど、義経の――北国|落の時、
足弱の卿の君が後れたのを、のびあがりのびあがりここで待ったという――(人待石)の....