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足柄山
「足柄山〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
足柄山の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「雪中富士登山記」より 著者:小島烏水
、案内者は薄明りに、二言三言挨拶をして行き過ぎる。 明け行く夜は、暁天の色を、
足柄山脈の矢倉岳に見せて、赤蜻蛉《あかとんぼ》のような雲が、一筋二筋たなびく、野....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
けでも十分に吹ける筈だそうです。笙の秘曲なぞを伝えるのも矢はりそれだそうで、例の
足柄山で新羅三郎義光が笙の伝授をする図に、義光と時秋とがむかい合って笙を吹いてい....
「古事記物語」より 著者:鈴木三重吉
それでいよいよ、再び大和へおかえりになることになりました。 そのお途中で、
足柄山の坂の下で、お食事をなすっておいでになりますと、その坂の神が、白いしかに姿....
「梨の実」より 著者:小山内薫
江山の鬼が食べたいと仰しゃる方があるなら、大江山の鬼を酢味噌にして差し上げます。
足柄山の熊がお入用だとあれば、直ぐここで
足柄山の熊をお椀にして差し上げます……」....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ん」 子供の声。 これは、ついこの隣りから、同じ間の山へ莚《むしろ》を敷く「
足柄山《あしがらやま》」の子供でありました。ことし五歳で、体に相当した襦袢《じゅ....
「その頃」より 著者:宮本百合子
いた。受付で待っていると、びっくりするばかりの赭ら顔に髪の毛をもしゃとし、眼付が
足柄山の金時のような感じを与える男の人が、坪内先生の手紙を片手に握って速足に出て....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
としては、檻を出して、座敷へも、庭へも、連れ出して遊ばせてやりたくもあるし、また
足柄山の金太郎は、絶えず熊と角力《すもう》をとって戯れていたということだから、子....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
解く 〔巻十四・三三六一〕 東歌 相模国歌で、足柄は範囲はひろかったが、此処は
足柄山とぼんやり云っている。「彼面此面」は熟語で、あちらにもこちらにもというので....
「金太郎」より 著者:楠山正雄
一 むかし、金太郎という強い子供がありました。相模国
足柄山の山奥に生まれて、おかあさんの山うばといっしょにくらしていました。 金太....
「深夜の電話」より 著者:小酒井不木
基朝臣の「東下り」の条をお読みになったことがありましょう。 「竹の下道行きなやむ
足柄山の峠より、大磯小磯見下ろせば、袖にも浪はこゆるぎの、急ぐともはなけれども…....
「香魚の讃」より 著者:佐藤垢石
岸の漁師が喜んでいるほど鮎が多い。鬼柳の堰に、メスのように光る若鮎が躍っている。
足柄山の尾根をきった空に、富士の白い頂が釣り人を覗いているではないか。 伊豆の....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
歩いている将士すら軍の方向は知らなかった。が、翌日の彼らはもう酒匂の上流を折れて
足柄山にかかっているのを知っていた。――やがて地蔵堂を経、金時山の北を峠越えに出....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
しかし彼の軍は、由比、蒲原で破れ、富士川でも全敗した。直義はついに鎌倉を出、
足柄山の険に立った。彼の形相ももう以前の直義ではまったくない。 直義の敗因は、....
「山の人生」より 著者:柳田国男
の神の数を説くのである。算えた数字でないことはもとよりの話だが、この点はすこぶる
足柄山の金太郎などと、思想変化の方向を異にしているように思われる。いわゆる大山祇....
「日本の伝説」より 著者:柳田国男
ら使っても尽きることがないともいいました。また山姥が子を育てるという話も、決して
足柄山の金太郎ばかりではありません。 以前はどこの国の山にも山姥がいたらしいの....